ここ2年間で最高の試合をしたドイツ(EURO2016スロバキア戦)

2014年のW杯で優勝して以来の2年間、公式戦を含めどうも煮え切らない試合を続けてきたドイツだが、今日のスロバキア戦はほぼ完璧といって良い内容で完勝した。大会前は格下相手にも失点を続けていた守備も大会に入り4試合連続無失点、ここにきて攻撃陣の調子も見るからに上がっており、最大の山場になるであろう準々決勝を前にきっちりと照準を合わせてきた。今日の試合は私が見る限りここ2年で最高の出来だった。

特筆すべきはヨアヒム・レーヴの選手起用がここまで当たっており、その中でも最大の発見は北アイルランド戦で右SBに抜擢したヨシュア・キミッヒだ。彼をこのポジションで起用するのはどちらかと言うと攻撃陣の活性化のための苦肉の策的な意味合いが強かったが、結果的にこれが大当たりだった。

キミッヒは所属するFCバイエルンでも活躍している通り、体は小さいが視野が広くボール扱いに優れ、前線のパスワークにも苦もなく参加できる上に、守備もクレバーにこなせる万能型の選手という印象だ。彼の登場で、左サイドに偏っていたドイツの攻撃に明らかに幅が広がった。もうこのポジションは今大会はキミッヒで決まりだ。おそらくキミッヒは現在の主力が健在のうちは今後もこのポジションに留まり、そしてゆくゆくは中央にポジションを移していくと思われる。

また、こちらも北アイルランド戦からFWのスタメンに抜擢されたベテランのマリオ・ゴメスも良い味を出している。この選手、国外に出てしばらく見ないうちに随分と変わった印象がある。守備に精を出し献身的になったプレーもそうだが、インタビューのコメントを聞くと随分と大会をリラックスして楽しんでいる様子が窺える。

私のイメージでは、ゴメスは能力は高いけれど、ナイーブで精神的に弱く、ここ一番で活躍できないというものだった。もちろん、彼の真価が問われるのは準々決勝以降だろうが、これまでのところ、私はゴメスの登場とメディアを通じての振る舞いにポジティブな印象を持っている。怪我などで活躍できない時期もあり、2014年のW杯はメンバーから外れたりと思うようにいかない時期を乗り越え、国外で経験を積んで精神的に大きく成長したのではないかと期待している。ゴメス自身にかつての爆発力はないだろうが、ベテランとして周囲を活かすことに徹すれば、今後の強豪相手の試合でも大きな力になる筈だ。

今日の試合に関して言えば、北アイルランド戦は出場しなかったドラクスラーの起用も当たった。ただし、この選手はここまで見る限り当たりの日とハズレの日がありそうな選手なので、次の試合で活躍してくれるかは未知数である。順当にいけば次戦もドラクスラーのスタメンが濃厚だが、レーヴはこのポジションにタイプの異なる少なくとも4枚のカードを持っているので、次戦は別の選手を持ってくる可能性もある。今日はドラクスラーの交代にベンチウォーマーと目されていたポドルスキまで使ってきた。

次戦はスペインとイタリアの勝者だが、言うまでもなくどちらが来てもこれまでの相手とは全く異なる厳しい戦いになる事が予想される。スペインは今大会唯一ドイツと真っ向勝負ができるチームだろう。イタリアは例によって守備をさせたら世界一な上に、ドイツはイタリアを大の苦手にしている。優勝するためには次戦が最大の難関となるのは間違いない。

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