ついに来てしまったイタリア戦は、知力と知力の対決になるであろう

土曜日に行われるユーロ2016準々決勝のドイツの相手はイタリアである。これは、ドイツ国民にとって最も恐れていた対戦であり、同時に最も楽しみな対戦であることは間違い無い。両国とも言わずと知れたサッカー大国だが、よくイタリアの呪いなんて巷で言われるように、ドイツはW杯、EUROという主要大会でイタリアに勝利した事がない。

私が知っている限りでも、2006年のドイツW杯では健闘虚しく延長で敗れ、逆に有利といわれた前回大会EURO2012の準決勝も、完全にイタリアの術中にハマりバロテッリの2発に沈められた。ミヒャエル・バラックは「イタリアと対戦すると毎回同じ事が起こる」とその相性の悪さを嘆いた。

今大会のイタリアは前評判は非常に低かったが、初戦で隠れ優勝候補といわれたベルギーに勝利し、先のベスト16ではこれも戦前の評価を覆してスペインに勝利した。そしてこのスペイン戦こそ、これぞイタリアだという圧巻の試合だったと言える。

イタリアも昔と違って攻撃的になったと言われるが、真の持ち味はいつの時代も変わらない。相手の攻撃を悠々といなしながら、一瞬の隙をついてゴールを陥れ、あとは巧みな時間稼ぎの術を駆使しつつ鉄壁の守備で守り切る。見ているほうからすれば実に腹立たしいことこの上なく、憎らしい程狡猾で、クレバーだ。このチームに先に点を与えてしまったらもう殆どアウト、そこから逆転するのは至難の業となる。イタリアは常に戦術的に世界最高峰のチームである事をスペイン戦で見せつけた。

一方のドイツは大会を通じて調子を上げ、ベストメンバーも固定しつつあり、この大一番を前にしっかりと状態を上げてきた。また、大会に先立って行われた親善試合でイタリアを圧倒し4-1で勝っており、ジンクス以外に悪い要素は見当たらない。

しかし、イタリアの知将アントニオ・コンテはこの親善試合でしっかりとドイツとの力の差を測っており、土曜日の本番で適切な弱者の戦術を用意し、ドイツを苦しめることは間違いない。前回大会はこのイタリアの罠にまんまとハマり、ドイツの攻撃陣はまるで思うようにサッカーをさせてもらえず、終いにはなりふり構わない放り込み戦術に陥り、完全に骨抜きにされ敗れた。これはヨアヒム・レーヴが監督になって以降最も苦い敗戦だったと言える。

しかし、当時若かった選手たちの多くは、欧州チャンピオンズリーグやW杯を制し、4年前よりも経験値を大幅にアップさせた。個々の選手たちの技術的なレベルは申し分ない。今回の試合でドイツに問われるのは、同じ轍を踏まないための経験と知力だ。

果たして膠着状態のなか、クレバーで経験豊富なイタリアの選手たちを相手に、ドイツは試合の中で冷静に適切な解決方法を見つけられるかどうか、そして前回大会で誤った選手起用と戦術を用いたとして批判に晒されたヨアヒム・レーヴは今回どのような手を打ってくるのか。この試合は、強豪国同士の極めてレベルの高い、知力と知力の対決になる事は間違いない。

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