天国と地獄が交錯した、準々決勝イタリア戦

昨日のイタリア戦はあまりにもドラマチックな展開となり、歴史に残る名勝負となった。私にとってはもちろんドイツがPK戦を制して準決勝に進出することは喜ばしいが、試合前の予想では力関係から言ってさすがに今回は90分、悪くても延長でドイツが勝つであろうと踏んでいた。しかし結局イタリアにPK戦の地獄に引きずり込まれ、やっぱり今回もしてやられたという印象が強く、どうも釈然としない感もある。

この試合についてまず最初の驚きだったのが、ヨアヒム・レーヴは大方の予想を覆し、攻撃の選手を一枚削って3バックを用いてきたことだ。大会前私はレーヴは今大会はいつにも増して様々な策を弄してくると考えていたが、ここまで4バック1本でメンバーもやり繰りし調子も上げてきたので、さすがにこのイタリア戦で突如システムを変更してくるとは思わなかった。

このシステムの変更についてはレーヴ自ら試合後に理由を説明している。イタリアは両ウィングバックが高い位置をとる上に中央に2人のFWを置くシステムなので、4バックにすると攻守4対4の状況を作られ非常にリスクが高いため、中央に一枚DFを増やしたとのことだ。

もちろん、その分攻撃力が削がれたが、ドイツが地力で勝ることは明らかだったのでレーヴはリスクの高いオープンな展開を嫌ったのだろう。また、レーヴが世界でも戦術的には最高峰のイタリアをかなり意識していたことも窺える。このシステムの変更については試合後当然のことながら議論を呼ぶことになり、例えばこの日テレビの解説をしていたメーメット・ショルはここにきての3バックへの変更を痛烈に批判していた。

もっとも、試合を見た印象を言えば、苦戦の理由がこのシステムの変更であったとは言えない。まず、ドイツは試合を通じてイタリアの攻撃陣をほぼ完全に押さえ込んだ。唯一、危なかったのが前半終了間際にオフサイドトラップをミスしジャケリーニに裏を取られた場面である。攻撃面では確かに前半はイタリアの老獪な守備の前にドイツもほとんどチャンスを作れなかったが、中継の途中で紹介されたようにイタリアの選手の走行距離はドイツのそれを遙かに上回るものだった為、後半になるとイタリアの選手に明らかに疲れが見え始めた。

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