ボルシア・ドルトムントの弱点は、精神的支柱となる選手が欠けていることだ

ここ数年FCバイエルンの独走状態が続いていたブンデスリーガであるが、今年はまだ序盤といえやや混戦状態になっている。これは他でもないそのFCバイエルンの調子が上がらず、格下相手に勝利を逃してきたからだ。そのバイエルンを追撃する一番手はもちろんドルトムントである。

ドルトムントは今年守備の要であるマッツ・フンメルスがバイエルンに移籍したが、一見するとそれを補って余りあるほどの大量補強を敢行した。特にゲッツェ、シュルレ、ロイス、オーバメヤン、デンベレ、カストロらを擁する攻撃陣の充実振りは欧州でも屈指の陣容と言って良いかもしれない。これでは香川真司が出場機会に恵まれないのも無理はない。上手くハマればCLでも上位に進出する力は持っているのではないか。

そのドルトムントだが、土曜日のブンデスリーガの試合では目下最下位のインゴルシュタットに引き分けた。私はダイジェストでしか試合を見ていないが、結果もそうだが内容がこれまた酷かったようだ。特に前半は最悪で2点を先制された挙句、更に失点をしてもおかしくないような守備の崩壊振りだったらしい。

ようやく後半に入り目が覚めたのか何とか同点に追いつき、最終的に3-3として最下位相手に敗北の失態だけは免れた。4日前にCLの試合があったとは言え、最下位相手に勝ち点3を逃したことは私を含めた多くのブンデスリーガを楽しみたいファンを落胆させたであろう。

このドルトムントの好不調の波が激しいのは今に始まったことではないが、今年は特に酷いといって良い。チームが若いのもそうだが、私が思うにやはり精神的支柱となるべき選手がいないのではないか。

実際に強豪と呼ばれるクラブには殆ど例外なく精神的支柱になる選手が存在しているのではないか。バイエルンやレアル、バルセロナなどに強豪クラブには例外なくそういった存在が居るし、過去にも常に存在した。サッカーの実力のみならず、人間的にも優れ、ファンにも愛されチームの顔となるべき選手だ。

例を挙げれば、バイエルンで言うラームとか、レアルで言うラモスなんかだろう。チームの調子が悪かったり、疲れがたまっている時でも、ピッチの上でチームを引き締めコントロールし、成績を安定させ最終的にタイトルをもたらす存在だ。そして、それらの選手は殆どの場合生え抜きのスター選手だ。

ドルトムントにおいては本来フンメルスがそのような存在になるべきだったはずだ。彼の移籍はそういう意味で、ワールドクラスの選手が一人抜けた以上の意味がドルトムントにある。資金力の差といってしまえばそれまでかもしれないが、ドルトムントは今後バイエルンと対等に渡り合うためには新たな生え抜きのスターを育て、チームの精神的支柱に据える必要がある。

バイエルンの社長がトーマス・ミュラーは非売品だと言ったのも、ミュラーが将来的にバイエルンにとってそのような選手になると目されているからに他ならない。そして順当に行けば彼の後にはキミッヒがそういう存在になるはずだ。

確か2012年だったと思うが、この時の移籍市場の目玉だったマルコ・ロイスはバイエルンとドルトムントの争奪戦となり、ロイスはドルトムントを選んだ。これはその当時、前年にバイエルンを下して優勝したドルトムントがバイエルンの地位に肉薄しつつある状況を象徴するような出来事だった。

そのロイスもドルトムントでワールドクラスのアタッカーの地位を確立し実力的には申し分ないが、ピッチの上でリーダーになれる存在なのか。その割には怪我も多いし、素行も良いイメージはない。彼の契約がどうなってるか知らないが、私の予想だと彼はそのうちバイエルンに移籍するだろう。

若手のギンターやヴァイグルあたりがリーダーに育つまでにはまだ時間が必要だ。ドルトムントは有望な若手選手のステップアップの場から抜け出せてはいないのが現状であり、バイエルンに追いつくのはまだまだ遠い道のりだと土曜日の試合で思った次第だ。

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