やっぱり揉めそうなBrexit

国民投票で過半数を得たことにより意気揚々とEUを脱退するはずの新イギリス政府だったが、昨日のイギリスの高等法院の判決により、Brexitは政府のみでなく議会の承認が必要だという運びになった。そして議員の大半はこれまでのところBrexitに反対の立場をとっている。

勿論、Brexitはイギリス国民が国民投票によって民主的に決定した事である以上議会によってそれを覆す事はないだろうが、政府のEU脱退構想に難癖つけて交渉を遅らせることは十分可能だとのことだ。そもそも一言でEU脱退と言っても、どのようにどの程度脱退するのか議論の余地は元々腐る程ある。

イギリス首相にとってこれは極めて喜ばしくない判決である事は明白であり、既にイギリス政府は最高裁に控訴する意思を表明している。しかし、その判決が覆される事は現時点で考えにくい。イギリス首相は否定しているが、当初3月末に始まる予定だった脱退交渉が遅延することは必至とみられている。

Brexitについて私は十分な知識を持ち合わせていないが、なんとなく予想通りというか、やっぱり揉めそうな雰囲気を醸し出してきた。そもそもBrexitに賛成したイギリス国民は現在自らの決定についてどう思っているのだろうか。勿論、EUにいる事で欧州の問題が自分の問題になり、自国民から見れば変な外国人と関わる機会も多くなって面倒くさいだろうし、その他にもデメリットもあるだろう。

しかし、我々庶民レベルで考えても現在にヨーロッパの豊かさはEUによってもたらされたものも多くあるのは間違いない。人間などそんな良い事はすぐ慣れてしまい、嫌な事はそれが一時的なものでも不満はすぐに溜まるものだ。イギリス人はプライドが高いとか言われるが、それはかつて大英帝国と呼ばれた歴史からくる国民性なんだろうか。昔は植民地から搾取できたかもしれないが、そんな時代は言うまでもなくとうに過ぎ去っている。

また、今年は欧州ではこの国民投票というのが大流行りだが、それも如何なものかと思ってしまう。民主主義と聞こえはいいが、自分の身の回りの事や、自分の生きている短い時間的なスパンでしか物事を考えれない民衆に国家の行く末を占う事項の直接決定は任せられないだろう。ドイツも国民投票をすれば難民には反対だろうし、日本も増税はしないだろう。アメリカならタイミングによってはトランプが大統領になるだろう。しかし、これらの事が世界的に、長期的にみてどのような結果をもたらすかは十分に恐れるに足ることであると思う。

Brexitが国民投票というこれ以上ない民主的な方法で決定された以上、どんなに後悔していようが理論上この決定を覆すことは現時点では殆ど不可能だ。このグローバル化が進んでいる世界の趨勢のなかで敢えてそれに逆行する選択をしたイギリスの顛末は世界的にも注目に値するだろう。いずれにせよ、Brexitに関しては今後も何悶着もありそうな予感がする。

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