ルフトハンザ・パイロットが意地でもストライキをする理由

先週から土曜日まで続いたルフトハンザ・パイロットのストライキは日曜と月曜に一旦休息したものの、再び昨日からストライキに突入した。経営側は給料のUP率を2,5%から4,4%に引き上げるなどの新しい条件を提示したが、パイロット側は話にならないと撥ね付け再度のストライキに突入した。経営側はパイロット側を再度裁判所に訴えて法的に封じる作戦に出たがこれも認められなかった模様だ。

そもそもパイロット側は唯でさえドイツのサラリーマンとしてはトップクラスの十分な給料を貰ってる上に、毎年自動的に3%の給料をUPが保証されているらしい。更に55歳で任意で定年に着き退職時点の給料の60%を貰う事が出来るというまさに貴族みたいに優遇された既得権を持っている。

彼らが私みたいな凡人よりも遥かに優秀で責任も大きい仕事をしていることを差し引いても、この上に5年で22%の給料をUPするというのはあまりにも度が過ぎた要求である事は明白だ。常識的に考えてもこんな要求が通るわけがないし、パイロット側もそれ位わかっているだろう。にも関わらずなぜ彼らはこんな無謀な要求で頑なにストライキをしたがるのであろうか。

ルフトハンザは現在その経営路線を大幅に変更している最中である。ドイツのフラッグキャリアとして圧倒的なブランド力誇ってきたルフトハンザも格安航空会社に価格面で対抗出来なくなってきたからだ。経営側もこの状況を手を拱いてみている訳にはいかないから対抗するべくコストカットに取り組み、格安航空便を増やして競争力を保ちたいところだが、目の上のタンコブ的な存在なのが上記にあげたような高コストのルフトハンザのパイロット連中である。もっと言えば彼らの貴族みたいな待遇を無期限に保証しているルフトハンザグループの労働協約だ。

そこで経営側はこの労働協約の適用範囲の及ばないオーストリアに子会社を設立して、そちらの管轄でユーロウィングスという格安航空便を拡張し、高コストのパイロットが操縦するルフトハンザ便も徐々に減らしユーロウィングスに移管していこうと画策しているらしい。

この経営路線の変更は当然ルフトハンザのパイロット達にとっては自分たちの生存権を脅かす重大問題であるから、彼らは是が非でもルフトハンザの経営権に介入し、労働協約で保証されている自分たちの既得権を是が非でも死守するためにストライキをしている。ただしこの理由では法的にストライキが認められないから、22%という法外な給料UPの要求をストライキの表向きの理由ににしているとのことだ。

要するに皆の憧れの職業だったパイロットも時代の変化の波に晒され大きな変革期を迎えている最中であり、ルフトハンザ・パイロットもこのまま茹でガエルみたいになって死ぬ位なら、まだ自分たちの発言に影響力のあるうちに意地でもこの流れを食い止めたいのだろう。

しかし、高い給料はともかく毎年自動的に3%の給料UPや55歳で任意退職したのち給料の60%が支給されるなどもはや時代錯誤もいいところだ。これはルフトハンザが昔国営企業だったころの名残だそうだが、ストライキを百回したところでこんな美味しい既得権は残念ながらもはや保持する事は出来ないだろう。経営側はこんな面倒臭い連中はあらゆる手を使って排除しようとするだろうし、我々利用者も愛想を尽かしているから今後ルフトハンザのブッキングは激減するのは間違いない。

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