Vielen Dank im Vorausという、相手に微妙に重圧を与える表現

ドイツ語で”Vielen Dank im Voraus”という言い方がある。直訳すると「前もってお礼を言います」という意味である。相手に前もってお礼をすると言うコミュニケーションは日本語では無いのだが、ドイツ語学習者は早い段階で必ず習う。具体的には、メールで何かを頼みごとをする際本文の後に記すもので、私も良く使うし、使われる。私は殆どの場合省略して”Vielen Dank”や、親しい間柄なら単に”Danke”で済ますこともある。

もちろん基本的にはドイツでもお礼を気持ちを表現するのは礼儀正しく丁寧な行為であり、私も以前はメールの本文終わりにほぼ何も考えず自動的に前もってお礼をしていた。しかし、依頼した時点で前もってお礼をするというのは、相手が自分の頼みごとを受けてくれる事を前提としている訳だから、実は微妙に失礼だろうなという疑問を持つようになった。

実際にgoogleでこの表現が失礼に当たるのかどうか調べると、キーワードが検索候補に自動的に出てくるから、同じ疑問を持っているドイツ人もそれなりに多い事が伺える。私自身も何かを依頼された時点で”vielen Dank”などと言われたら、ちょっと強制されている感があり、断ったり後回しにしにくくはなる。結論を言えばこの表現は特に失礼に当たる訳ではないが、相手に自分の依頼を受け入れさせる微妙な強制力をもった表現だと認識している。

そう言う訳で、私は今でもこの表現を良く使うとは言え、基本的に相手が受け入れて至極当然の頼みごとをするときにのみ使用する。これはお礼と言うよりは、上記に上げたように相手に若干の重圧をかけて自分の依頼を相手に無視されたり忘れられたりする可能性を低くするのが目的である。

因みに、もしもへり下って丁寧に頼みごとをしたい場合、”Es wäre sehr nett, wenn  … ” という言い方がある。この表現方法は日本人に合った丁寧な表現だと思うので覚えておく事をお勧めする。或いはメールに対して返事が欲しい場合は、Ich würde mich über Ihre Antwort sehr freuen”とか”Ich freue mich auf Ihre Antwort”の方が、個人的には”Vielen Dank im Voraus…” よりも感じの良い印象を持っている。

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