トランプの入国禁止措置に対してのメルケルの言葉

最近世間を騒がせているアメリカによるイスラム教の特定7カ国の人々の入国禁止措置について、ドイツのメルケルは以下のように強く反対するコメントを出しているので、やや遅ればせながら引用しておく。ドイツ語を読める方は是非自分で読んでその語感と意味を考え方てみたら良いかと思う。

Der notwendige und auch entschiedene Kampf gegen den Terrorismus rechtfertigt in keiner Weise einen Generalverdacht gegen Menschen bestimmten Glaubens, in diesem Falle gegen Menschen muslimischen Glaubens oder Menschen einer bestimmten Herkunft. Das Vorgehen widerspricht nach meiner Auffassung dem Grundgedanken der internationalen Flüchtlingshilfe und der internationalen Kooperation.

駄訳で恐縮だが日本語にすると:

この必要かつ断固としたテロとの戦いは、ある特定の信仰を持つ人々、ここで当たるのはイスラム教を信仰する人々、或いは特定の出身地の人々を一括りにして疑いをかける事をいかなる方法でも正当化しない。私の見解ではこの措置は国際協調と難民支援の基本理念に反する

ここでメルケルが使っている”Generalverdacht”= 「包括的な疑い」と言う言葉は、包括を意味する接頭辞”General-“と「疑い、疑念」を意味する”Verdacht”が合成された言葉であり、ドイツで難民問題が発生して以来よく聞く言葉である。例えばISがテロを起こしたら、イスラム教徒全員が危険であると見なす考え方であることは解ると思う。これをメルケルは”in keiner Weise”という表現を使ってそれを強く否定している。これは否定の中でもそれを更に強調した表現である。

また”Grundgedanke”=「基本的な考え方」と言っている通り、この措置が世界共通にあるべきルール、価値観を根本的に覆すものであると非常に強く反対し、懸念を示していると言える。一般的に言えると思うが、基をなす共通の価値観を持てない相手とその上に何を話しても無駄である。

トランプが執行した例の入国禁止措置は、該当する国及びイスラム教を信仰する人間に対する差別を世界的に助長し正当化する強力なシグナルとなる。これは単に一国の国益という枠を超えて世界的に非常に危険な事であるのは明らかなので、だからこそ多くの要人が口を挟む形で反対のコメントを出していると私は理解している。いうまでもなくアメリカはその辺の辺境の国などではなく、あらゆる分野で世界最大の影響力を持つ国である。ドイツではメルケルに続いて大統領のガウクがこの措置に同じく強く反対する声明を出した。

私はトランプの策にどんな政治的な思慮陰謀があるのか知らないが、それ以前にこのような差別的かつ非民主的な決定には非常に陰惨たる気分になる。しかし、残念なことだが、このような措置を正しいと思う人々は驚くほど世界に多く存在しているようである。我々一般庶民もこれに無関係のままではいられないであろう。

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