ドイツ対メキシコ戦で目の当たりにした、レオン・ゴレツカの恐るべき才能

最近はサッカーの話題ばかりだが、この時期はそれくらいしか見ていないので悪しからず。昨日はコンフェデ杯準決勝メキシコ戦だった。メキシコといえば2006年のコンフェデ杯でも対戦し、この時は延長戦でバラックが直接フリーキックを決めて4-3で勝利した。また、ちょっと古いが1998年のW杯ではドイツは先制されながら試合終盤にクリンスマンとビアホフのゴールで逆転勝利しており、メキシコには最終的に勝利するものの割と苦戦しているイメージがある。

この日のドイツは前回と同様の3-4-2-1のシステムだったが、レーヴはまたもやパズルのように選手を動かした。GKはテア・シュテーゲン、3バックはギンター、ルーディガー、キミッヒ、両サイドはヘクターとヘンリックス、中盤の底はルディとゴレツカ、FWはヴェルナーという前回よりやや攻撃的な編成で臨んだ。ルディのパートナーとして欠かせないと思われたチャンを外し、若手のヘンリックスを右サイドに起用したのは誰もが意表を突かれただろう。これによりゴレツカが司令塔ルディのパートナーとして後方でやや守備的なタスクも受け持つようになった。シュティンドルは2列目に入ったが、実際は1,5列目のセカンドトップだろう。

試合が始まって早々から両チームの激しい攻防が見られたが、ドイツが試合開始10分もたたないうちに、ゴレツカが2得点を決めて最高のスタートを切った。この2点はゴレツカの才能が凝縮されたような素晴らしいゴールで皆が唖然とした筈だ。しかし、ドイツはこの後ゲームのコントロールを失った。オーストラリア戦同様、ボールを奪いに行く積極性が欠け、安全志向で受け身になりすぎている。ボールを奪う位置がどんどん後ろに下がり、奪っても自陣でのボールロストが増えて効果的なカウンターにも繋がらない。前半の20分ごろからは完全なメキシコペースとなり、時間が経つに従ってドイツのゴールに近づいて来る。しかし前半は何とか2-0のまま切り抜けた。

後半が始まるとドイツは2列目のシュティンドルとドラクスラーがサイドハーフのような形で中盤の守備をサポートするようになり少し安定性が増し、再びペースを掴んだ。すると今度はゴレツカの見事なスルーパスからヘクターが中央に折り返し、これをヴェルナーが無人のゴールへ流し込んだ。メキシコの守備を崩し切った見事なゴールだった。メキシコはドイツがやや集中力が切れた所を突いて何度かチャンスを迎えたが、テア・シュテーゲンの安定したセーブに阻まれて得点できない。結局メキシコは目の覚めるようなミドルシュートで1点を返したものの、ドイツも終盤に1点を追加し、4-1でドイツが勝利した。

終わってみれば4-1という大差がついたが、ドイツにとって点差ほど楽な試合ではなかっただろう。開始早々のドイツの2点でメキシコのボール保持率が高くなるのを差し引いても、全体的にはメキシコ優勢の時間帯も多く、枠内シュート数などのスタッツでもメキシコが上回った。しかし、ドイツは守備陣が踏ん張ったのと、決定的な場面で違いを生み出せる選手がいた。言うまでもなくそれはレオン・ゴレツカだ。

私は度々レオン・ゴレツカはミヒャエル・バラックを彷彿とさせると述べたが、今日の1点目はまさにゴレツカのダイナミックさと高い技術が融合した素晴らしいゴールだった。中盤の底で自ら右サイドにボールを展開しそのままゴール前に走り込み、その折り返しのパスをダイレクトで、しかもペナルティーエリア外からゴールの左隅に流し込んだ。過去にこんなスケールの大きな動きから得点を決める選手がドイツにいたとすれば、私が見た中ではバラックしかいない。

2点目も圧巻だった。FWのヴェルナーがバイタルエリアでボールを受けた時、ゴレツカは中盤でやや流し気味に走っていた。しかし、チャンスの香りを嗅いだゴレツカはゴール前に猛スプリントを開始し、ヴェルナーからのスルーパスをトップスピードからこれもゴール左隅に決めた。このスプリント力はバラックより明らかに上、とてつもない才能だ。

ゴレツカはこの才能の8割でも安定して発揮できるメンタルがあれば、近いうちにドイツ代表の主力になりビッグクラブに移籍する日もそう遠くはない筈だ。取り敢えず2018年杯のメンバー入りは間違いないだろう。

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