鳴り物入りで入団したポドルスキが全く活躍できないのは何故か

ヴィッセル神戸に鳴り物入りで入団した元ドイツ代表のFWルーカス・ポドルスキであるが、デビュー戦で2ゴールを決めて完璧なスタートと切ったと思いきや、その後鳴かず飛ばずで苦しんでいる。ピッチの上では露骨にイライラし、試合後には取材を拒否して直帰するなど思うように行っていないのは明白だ。側からみても感情が表に出やすいタイプで、若い頃はあのバラックに説教されてビンタを喰らわせて問題になった事がある。そう言うやんちゃな所も含めてポドルスキらしいと言えばそうなのだが、暑いとはいえ、ちょっとピッチの上でもプレーに覇気がなく心配だ。同じ外国に住む人間として、なぜポドルスキが苦しんでいる理由を独断と偏見で考えてみた。

まず言葉が通じないのは当たり前の話だが、実際に体験してみるとかなりしんどい。これで相当な疎外感や孤独感を味わう事になる。「ようこそ」と迎え入れられるのは最初だけだ。残念ながら日本ではドイツ語はもちろん、英語を話せる人も少なく、出来たとしてもゲルマン系ほど上手くはない。同じ外国人として想像するにこれは相当なストレスになっていると思う。良く、外国に居れば勝手に外国語を習得出来ると思われがちだが、それは間違いだ。ドイツ語と日本語のように類似性の少ない言語なら尚更である。

また、食事に関しても案外苦労しているかも知れない。日本食は既に世界遺産に登録されており、文化としてその質の高さは一応公認されている。しかし、だからと言って一般的にドイツ人が毎日食べれるような食事ではない。脂の乗った柔らかい肉や魚、ソーセージ、ふわふわのパンが皆の口に合うとは限らない。むしろドイツ人はしっかりとした歯ごたえのある物を好む。スポーツ選手である以上食事面の合う合わないは死活問題になる。

気候はもう言うまでもないだろう。日本の暑さは気温と湿度のダブルパンチなので相当体力を消耗する。これまでのポドルスキのプレーを見る限り相当コンディションが悪そうに見える。

ポドルスキはこれまで欧州のトップリーグでプレーをしてきた選手である以上、Jリーグのレベルが物足りないと感じるのはある意味当然で、ポドルスキが活躍できないのは周りの選手のレベルが低いから、或いはポドルスキを活かすパサーがいないからとも言われる事がある。それもあるだろう。しかし、これまでの試合を見る限り、私から言わせれば寧ろポドルスキ自身に問題がある。

ポドルスキはFWとして起用され、「俺によこせ」と言わんばかりで前線中央でほとんど動かないし、まともに守備もしない。もともと献身的で運動量の多い選手ではないし、動きのパターンも少なく、32歳になっても未だに本能とその爆発的な左足のみに頼ったプレースタイルから脱却できていないことは知っている。暑さに慣れていないのもあるだろう。足元でボールを貰えさえすれば、得意の振り向きざまの左足シュートをパワーでねじ込む自信があるのかも知れない。

しかし、それを差し引いても、ここまでの地蔵っぷりは私の知っているポドルスキではない。と言うより、ちょっと試合に出てはダメなレベルだとさえ思う。その割にはチームメイトのプレーに不満がある仕草がよく見られるが、それで本当に良いのか。逆にポドルスキ自身が目線を落として周りに合わせる努力をしなければ厳しいだろう。

因みに、私の中ではポドルスキはストライカーとウィングを足して2で割った選手というイメージだ。ドイツ代表で2列目の左をプレーしていたので、そう言うイメージがあるかも知れない。ポドルスキがもっと左サイドに出て仕事をする位の柔軟性があれば良いのだが、中央のプレーに拘っている感があるのは勿体無いと個人的には思う。

更に元々の期待値が高すぎるのもあるだろう。ポドルスキはJリーグにやってくる久々の大物選手ということもあってか、まさに鳴り物入りで盛大に迎え入れられた。ドイツ代表で10番を纏い代表キャップ130と言う数字だけを見れば確かに圧倒的だ。しかし、以前の記事でも指摘したことがあるように、ポドルスキは極めて早熟型の選手で、キャリアの中盤から伸び悩んだ。優れたアスリートとしての才能を持ちながら、自己中心的で我を押し通すプレースタイルから脱却できなかった事が、高度な組織力を要求されるビッグクラブで成功できなかった要因だろう。

そんな中でもドイツメディアも日本のサッカーをやや上から目線で見ており、多くの人がポドルスキは日本で活躍して当然だと思っている。ポドルスキ自身も日本で活躍できる自信があったはずだ。しかし、若い頃ならともかく今となっては身体能力も衰えており、日本で無双出来るほどの力はさすがに無い。

それでも、スターとして多くの重圧があるだろうが、ポドルスキのチャレンジはまだ始まったばかりだ。ドイツに住む人間としても、ポドルスキがここから挽回してくれる事を期待したい。

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