ドイツ、最悪の出来と雰囲気ながらチェコに勝利する

今日はロシアw杯の予選、ドイツ代表はアウェーでチェコと対戦した。前回のホームでの対戦では3-0と圧倒しており、この予選自体も勝ちっ放しでほぼw杯の切符は手にしている。話題は勝敗よりも、w杯の本戦に誰を連れて行くのか、そしてどんなスタメン、システム戦うのかと言う点だ。ドイツはBチームで臨んだコンフェデ杯を制して戦力の底上げに成功した一方で、ミュラー、エジル、ボアテング、ケディラ、ノイアーといった本来の主力選手が怪我や不調でクラブで思うような成果を出せていない。そして監督のヨアヒム・レーヴはここにきて「誰一人としてロシア行きのフリーパスは与えない」と発言しチーム内の競争を促した。もはやほぼ不動だと思われていた招集メンバー及びスタメンは全く読めない状況になっている。

レーヴは今日の試合では3バックの前に1人の司令塔、2人のFWを据えるコンフェデ時のシステムを採用した。GKはコンフェデでノイアーに次ぐ2番手の位置を確立したテア・シュテーゲン。3バックはフンメルスを中心に左右にギンターとキミッヒ、その前に司令塔としてパスを散らすクロース。両サイドWBの位置にヘクターとブラント、攻撃的MFの位置にエジルとミュラー、FWはヴェルナーとシュティンドルの2トップという布陣だ。

最終ラインよりも前は全て攻撃的な選手で構成されており、圧倒的に試合を支配して勝利しようという目論見の見える布陣だ。コンフェデ杯もそうだったが、3バックで中央を固める事で司令塔であるクロースのパートナーに守備専の中盤の底を省いても対応出来ると言う判断だろう。また、右WBのブラントが超攻撃的なので、状況によっては逆のヘクターが最終ラインまで下がる事で4バックに変形し、サイドのスペースを消そうという意図があると予想された。

ドイツは試合開始早々、DFの裏に飛び出したヴェルナーにエジルのパスが通り1点を先制する。まさにこれ以上ない最高のスタートを切ったと思いきや、その後は中盤でボールロストを連発するようになりチェコのショートカウンターを浴びるようになる。ボールを奪われると速攻で中盤のバイタルエリアを蹂躙されて攻め込まれるのを見るのは実に気分が悪い。これも、中盤の底に守備的な選手を欠いている為だろう。シュティンドルが驚異的な運動量で戻ってくるが、当然最前線の選手がほとんど最終ラインで守備までするのは効率が悪い。3バックで中央を固めることが容易なので、近距離正面からの決定的なシュートこそ防いでいたが、後半も終盤になると中央に絞った3バックと疲れ気味のWBのスペースを突かれてゴール近くからシュートを浴びるようになる。それでも前半はチェコの個々の技術がそれほど高くない事にも助けられ無失点で切り抜けた。

後半始まってもその構図は変わらず、チェコはドイツの広大なバイタルエリアを利用してミドルシュートを打ってくる。堪りかねたレーヴはまず守備を安定させるべくブラントに替えてリューディガーを投入する。リューディガーは右のストッパーの位置に入り、キミッヒがブラントの右WBの位置に入った。また、5分後にはこの日連携ミスが多く疲れの見えるシュティンドルに替えてドラクスラーを入れる。しかし、状況は好転せず、遂に78分に見事なミドルシュートをぶち込まれ同点に追いつかれた。ここでようやくレーヴは守備的な中盤であるチャンを投入し、状況を落ち着かせる事に成功する。ドイツは試合終盤にセットプレーからフンメルスが強烈なヘディングを決めて、苦戦しながらも何とか勝利した。

昨日の試合に関しては、コンフェデ組と主力組をミックスさせた構成で、当然のことながら非常に連携が悪く、特に多くのコンビプレーに絡んでいたシュティンドルと主力組との呼吸が合わず多くの連携ミスが見られた。また、非常に攻撃偏重のシステムおよび選手で構成された故、試合途中では75%という高いボール保持率が記録されたが、さすがに守備面での脆弱さは否めない。その中であれ程中盤でのボールロストが多ければ相手が誰であれ苦戦は免れないであろう。昨日はフンメルスの獅子奮迅の活躍に助けられた。

しかし、ミスが多かった一方で、攻めのアイデア自体は私はそれ程悪いとは思わなかった。常に裏を狙うヴェルナーと、マルチタスクをこなせるシュティンドルの2人のFWは悪くないコンビだ。エジルとヴェルナーの相性も昨日見た限り悪くない。練度を上げていけば、変化に富んだパス交換から良い攻撃が繰り出せそうな雰囲気はある。大陸間ごとに実力差が大きいW杯ではグループリーグでドン引きの相手と必ず対戦するので、今のうちから超攻撃的なシステムを試しておく必要がある。恒常的な問題があるとすれば、両サイドからのクロスの精度だろう。これは以前から改善の余地があるが、昨日は特に酷かった。

ところで昨日の試合終了後、ドイツ代表の選手たちはファンに挨拶せずにロッカールームに引き上げた。これは一部の観衆が明らかなネオナチの連中で、国歌斉唱および黙祷の時間、試合中にも非常に下品かつ差別的なコールで試合に水を差したからだ。フンメルスはこれを”Katastrophe”と言って嫌悪感を露わにした。ドイツ語で”Katastrophe”とはもはや救いようのない壊滅的で最悪な事を指す。そう言う意味で昨日は雰囲気も最悪だった。このような下劣な連中の最低な振る舞いは観客を不安にさせるだけでなく、ピッチの選手たちの動きにも影響を与えざるを得ないだろう。

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