UEFAネーションズリーグの登場で、変わりつつあるサッカー代表戦の在り方

今週UEFAネーションズリーグと呼ばれる新たなサッカーの国際大会の組み合わせ抽選会が行われた。この大会はこれまでの国際親善試合の代わりとなり、そしてEUROやW杯に続く新たな代表チーム同士の真剣勝負の場として今年から催されることが決定している。特徴は実力の拮抗したチーム同士でホーム&アウェーのリーグ戦を行うという形であり、隆盛を誇るUEFAチャンピオンズリーグの代表チーム版とも言えるだろう。ドイツはフランス、オランダという強豪国とグループリーグで同組となった。大会は今年のロシアW杯の後に開幕する。

しかし、この一見すると盛り上がりそうな要素もあるネーションズリーグであるが、少なくともドイツでの評判はすこぶる悪い。まず、大会のシステムが非常に複雑で難解なことが挙げられる。

ネーションズリーグでは全ての参加国をまず4つのリーグに分ける。リーグAはドイツ、フランス、イタリアのような強豪国、そしてリーグB、C、Dとランクが落ち、例えばリーグDはサンマリノやリヒテンシュタインのような弱小国により構成される。

そしてそれぞれのリーグをさらに4つのグループに分け、今年の9月から11月にかけてグループリーグを戦う。例えばリーグAは以下のような組み合わせとなった:

グループ1:ドイツ、フランス、オランダ
グループ2:ベルギー、スイス、アイスランド
グループ3:イタリア、ポーランド、ポルトガル
グループ4:スペイン、クロアチア、イングランド

このリーグAの各グループの1位4チームが2019年の6月に最終的にKOラウンドを戦い優勝者を決める。リーグB、C、Dの各グループの1位は次回大会で1ランク上のリーグに昇格し、リーグA、B、Cの各グループの最下位は逆に1ランク下のリーグに降格する。まあ、ここまではそこまで複雑ではない。

この大会のフォーマットが複雑だといわれるのは、結果の一部が2020年のEURO本戦への出場権が絡んだものになるからだ。このEURO2020には最終的に24ヵ国が出場することになっており、そのうちの20チームはこれまでのように予選を行い出場国を決定する。この予選は2019年の3月にスタートし、ここでは全出場国を10のグループに分け、それぞれのグループの上位2チーム、つまり20チームが自動的にEURO2020の出場権を得ることになる。

そして、残る4ヵ国はUEFAネーションズリーグの結果を踏まえたプレーオフで決定される。具体的には、同じリーグの中でグループの1位同士の4チームが2020年の3月にトーナメントを行い、その勝者、つまりA、B、C、Dそれぞれのリーグから勝ち抜けた1チームづつが、EURO2020の残り4つの出場権を手にすることになる。

しかし、例えばリーグAのような強豪国揃いの場合、多くのチームはわざわざそんなプレーオフに参加する必要はないだろう。EURO予選の段階で既に勝ち抜けて出場権を獲得している確率が高いからだ。そのような場合、同じグループ内で次の順位だったチームがプレーオフに参加する。仮にリーグAにおいて殆どのチームが既に出場権を獲得し、プレーオフに参加するチームが4チームに満たない場合、余ったリーグAのプレーオフの出場権はリーグBのチームに与えられる。

そして、このEURO2020の出場権が賭かっている事がこのネーションズリーグのミソでもあり、特にリーグB、C、Dのチームが真剣勝負をするであろう理由はここにある。しかし、この仕組みをぱっと理解できなかった私が馬鹿なのかもしれないが、ちょっと難解すぎる。

更に、この仕組みだとEURO2020にはこのネーションズリーグのリーグDから必ず1チームが参加することになる。つまり、参加する事だけに意義がある超弱小国が噛ませ犬としてEUROに登場するわけだ。その国の国民からすれば喜ばしいことだろうが、大会のステータスは著しく落ちるだろう。

さらに問題視されているのが言うまでもなくスター選手への負担である。ネーションズリーグはひとまず親善試合の代わりとして導入されており、代表の試合が増えるわけではない。しかし、唯でさえビッグクラブのスター選手の疲労は過密日程で限界に達している上に、代表での真剣勝負の要素が増えてくるならば、クラブ側からすれば良い事など一つもない。この反対意見は特にドイツから多い。とはいえ、中堅国や弱小国にとってこのネーションズリーグは魅力的な新しい大会かもしれない。

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