トニ・クロース、不甲斐ないチームメイトを批判する(ドイツ対ブラジル親善試合)

少し遅くなったが、火曜日に行われたドイツ対ブラジルの感想を書いておきたい。両チームにとってW杯前の重要なテストマッチであることは勿論だが、この試合でまずフォーカスされたのは言うまでもなく、4年前のブラジルW杯の準決勝である。この試合は知っての通りドイツが開催国ブラジルを7-1という驚愕のスコアで蹂躙した。今回の親善試合は両者のそれ以来の対戦であり、ブラジルにとっては唯の親善試合ではないことは明白だ。もちろん、本当の対決はW杯本番であり、移り変わりの激しいサッカー界で当の選手たちはそれほど気にはしていないだろう。しかし、ブラジルの国民とレジェンドにこの敗戦は強烈なトラウマとして残されている。

というのも、当時この試合でブラジルのレポーターが連呼することになった、”Gol da Alemanha!”=「ドイツのゴール!」という言葉は、今日ブラジルで一般に何か馬鹿げたことが起こった場合使われる隠語として定着したそうだ。更に元日本代表監督であるジーコも、あの試合以来ブラジル人監督のマーケットでの需要は著しく低下したと嘆いていた。今回は親善試合とは言え、ブラジルは少なくともドイツと互角の戦いを見せて本番までに士気を上げて行きたい所だろう。ネイマールというスーパースターを欠いているのは残念だが、それを除けばブラジルはほぼベストメンバーとも見える布陣でこの試合に臨んできた。

一方のドイツはシステムこそ前回のスペイン戦と同じ4-2-3-1だが、ボアテング、クロース、ドラクスラー、キミッヒ以外は、ひとまずバックアップと目されるメンバーを送り込んできた。とりわけ意表を突かれたのが、1トップのFWにメンバー当落線上のゴメスを起用してきたことだ。その他は予想通りギュンドアン、サネと言った、あわよくば本番でスタメンに名を連ねてきそうなメンバーも先発した。今回テスト色の強いメンバーを送り込んできたのは、前回のスペイン戦である程度主力の出来に手ごたえを掴んだからだろう。

この試合はスペイン戦とは打って変わって静かな立ち上がりとなったが、徐々に試合の主導権を握り始めたのはドイツ。ドイツはクロース、ギュンドアンという世界でも屈指のパサーのコンビが攻撃を組み立てて中盤を支配する。最大のチャンスは16分、カウンターの状況から左サイドでボールを受けたサネがPA内深くに走りこんだドラクスラーにパスを出し、この折り返しをゴール正面からフリーでギュンドアンがシュートした。これは完全なミスキックとなりゴールを大きく外したが、この試合一番の攻撃だった。この後もドイツはサイドから良い形でクロスが入るが、ゴメスがしっかりと抑えられ得点できない。

一方のブラジルは中盤を支配されるも後方で守備を固め1対1の競り合いでドイツに勝る。自陣でボールを奪ったら両サイドの攻撃的MF、ウィリアン、コウチーニョのドリブル突破で活路を見出そうとするが、ドイツの守備陣に脅威を与えるまでには至らず、全体的にはドイツが試合を優勢に進める。しかし、35分カウンターからFWジェズスがドイツ守備陣の裏に抜け出しGKとほぼ1対1になるビッグチャンスを得る。このチャンスは実際にはオフサイドを主審が見逃したものであり、シュート自体も上に外れたが、ブラジルは直後にドイツのミスに乗じて先制する。

ギュンドアンの自陣での軽率なパスミスをさらったブラジルは右サイドに展開し、ウィリアンからのクロスをジェズスが頭で決めた。このギュンドアンのパスは相手の頭上を狙ったショートパスであり、こんなリスキーなパスを自陣でするとは軽率にも程がある。更に自陣でのボールロストで守備組織が乱れたドイツはこのウィリアンのクロスに対し、各選手がペナルティエリア内でのマンマークを怠りゴール前で完全な数的優位を作られる組織的ミスを犯した。試合展開から言えば悪い冗談のような失点だが、自陣深くで個人のミスと組織のミスを一度に犯せばブラジルは見逃してはくれない。前半はこのまま1-0で終了した。

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