世界の笑い種と化してしまった失敗プロジェクト、ベルリン新空港の建設

そして、この自動ドアの問題に手こずっている間にもう一つ判明した大きな問題がスプリンクラー装置である。スプリンクラー装置とは火災が発生した時に自動的に散水する設備であり、火災が大きくなるのを防ぐのが目的で設置される。

このスプリンクラー装置は2016年の10月に29000個ほど設置されたのだが、後になってこれ程の大量の装置に対して配水管の強度が十分でないことが判明した。そういう訳で再び天井を開けて、およそ2Kmにわたる配水管を新しく取り替えなければならない。この問題は未だに解決されておらず、現在空港が完成しないおそらく最大の理由だと推察される。

他にも、地下の駅からターミナルまでのエスカレーターの長さが間違っていた。植えられた1000本の木の場所が間違っており、そのうちの600本を切り倒して別の場所に植え替えた。度重なる建物の設計変更のせいで4000室ある部屋のうちの3分の1が間違った番号になっているなど、失敗を探せば山ほどある。

最近では空港内の750個のモニターが取り替えられることになって物議を醸した。2012年の開港用に設置されたのだが、6年間何の役にも立たないまま寿命が来てしまったからだ。そして、これらのモニターは業務用になっており、一般ユーザーは使用できない仕様になっている為、取り外されたモニターのうち100個はベルリンのもう一つの空港のテーゲルで使用され、それ以外は廃棄された模様だ。そのコストはおよそ50万ユーロである。本当に馬鹿げた話だが、そもそも新しいモニターを今取り付ける必要があるのだろうか。

また、利用客がいないにも関わらず毎週月曜日から金曜日の深夜には空港駅にSバーンが運行されている。空港がまだ完成していない一方で、既に新しい線路は敷き詰められ、プラットホーム、エレベーター、エスカレーター、電光掲示板すべてが完成しているのだが、そうなると地下に建設されたこの駅の設備にカビが生えたり錆がついてしまうので、換気のためにわざわざ無乗客のSバーンを毎日運行させる必要があるとの事だ。これしかメンテナンスの方法はないにしても、本当に馬鹿げた話だ。

そのように失敗だらけのベルリン新空港の建設であるが、最近の情報によると2020年の10月に完成予定とのことだ。しかし、当然ながらこの情報を信じる者は少ない。ついこの間はルフトハンザの幹部の一人が、空港は一旦取り壊されて新しく建て直されるだろうと発言して物議を醸した。仮にそんなことになれば本当に前代未聞の事態になるが、これまでの経緯を考えればそれも実際にあり得ると思わざるを得ない。当然国民もこのテーマには完全に怒りを通り越して呆れかえっており、真剣に議論するよりは寧ろブラックジョークのネタとして扱いつつある。何れにせよ、現段階ではドイツの歴史的な失敗プロジェクトの呼び声も高く、国としての評価を下げてしまっているのは間違いないだろう。

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