FCバイエルンを破ったフランクフルトの戦いぶりは、日本代表にも参考にしてほしい

昨日はDFBカップの決勝、FCバイエルン対アイントラハト・フランクフルトの試合が行われた。これは言うまでもなく今シーズンの国内タイトルを締めくくる重要な試合であるのだが、私は全然注目していなかった。どうせFCバイエルンが勝つと思い込んでいたからだ。私は一応FCバイエルンのファンではあるが、はっきり言って国内の試合は殆ど勝って当たり前なので応援するスリルも甲斐も大して無い。そう言うわけで私の観戦モチベーションもかなり低く、横目で見ながらの適当な観戦となったが、この試合はまさかのスリル満点の展開になった。

試合は当然のことながら一方的にボールを試合し攻め込むバイエルンに対してフランクフルトが守ると言う構図で始まった。しかし、意外な事に先制点をフランクフルトが奪う。11分、フランクフルトは前線からプレスをかけて高い位置でボールを奪い、そこから電光石火のショートカウンターを繰り出し先制した。プレスを受けた際、この日先発したズューレは前方のハメスにパスを出して回避したが、このパスは完全に読み切られており、結局ハメスがボールを失い、縦に迷いなく走り込んだレビッチが決めた。

バイエルンの意表を突いたそのプレスのタイミングもそうだが、フランクフルトの攻守の切り替えの速さ、その縦へのシンプルで速い攻撃は、フランクフルトが事前にイメージ通した通りの得点だっただろう。

後半、傘に罹って攻めるバイエルンはレヴァンドフスキのゴールで同点に追いつき、私もこれでバイエルンがやはり勝つであろうと思っていたが、試合終盤に勝ち越したのはフランクフルトだった。

中盤のプレスでハメスからボールを奪ったフランクフルトは、再び素早い好守の切り替えからの縦パス1本のカウンターでゴールを奪った。フランクフルトがボールを奪った位置は自陣ゴールとハーフラインの中間あたりで、決して高い位置とは言えなかった。しかし、ボールを奪ってから得点するまでは僅か7-8秒という速さである。これも完全に狙い通りだろう。

まさかの勝ち越し点を奪われたバイエルンは終了間際、最後のコーナーキックでGKのウルライヒを前線に上げて総攻撃を仕掛けた。しかし逆にクリアボールを奪ったフランクフルトは無人のバイエルンゴールにボールを運び、結局3-1という誰も予想しなかった勝利をあげた。このまさかの敗戦にバイエルンの選手はショックを隠せず、フランクフルトの勝利を讃えることもなく早々にロッカールームに引き上げた。国内で敵なしのバイエルンを、決勝という檜舞台で破ったフランクフルトの見事な勝利であった。

そして、昨日のフランクフルトはまさに弱者が強者に勝つための模範的な例を示した戦いぶりであり、勝つための明確なプランが周到に準備されていることを伺わせた。これは言うまでもなく、中盤でボールを奪ってからの縦に速い攻めである。もちろん、バイエルン相手に中盤で簡単にボールは奪えないので、フランクフルトは殆どの時間帯守備を固め、バイエルンの攻撃を耐えしのいだ。バイエルンは2本シュートをポストに当てており、運に助けられた部分も大いにあるだろう。

しかし、フランクフルトは頻度こそ少なかったが、チャンスと見るや明らかに狙いを定めて組織的なプレスをかけ、ボールを奪ってから手数をかけない速く、シンプルな攻めでゴールを陥れた。その迷いない動きを見れば、ボールを奪う前から既にゴールまでの具体的なイメージが出来ていることがわかる。このバイエルン戦の為に周到な準備をし、選手たちに大舞台で見事に実践させた監督のニコ・コバチの手腕は見事という以外にないだろう。

そして、あくまで私の願望だが、昨日のフランクフルトの戦いぶりはW杯に臨む日本代表も大いに参考にして欲しい。日本が本気で強豪国に一泡吹かせようと思うのであれば、この狙いを定めた組織的プレスからのショートカウンター以外にないと思う。

まあ、これは日本人に合わない、或いは好まない戦術であろうし、監督が代わった今、また代表チームという特性上難しいかもしれないので、一方でそんなに期待はしていない。しかし、少なくともこの日フランクフルトのオーガナイザーとしてピッチに立った長谷部誠の経験とインテリジェンスは、日本代表にポジティブな効果があると思っている。

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