ドイツ難民問題を更に厄介にする、連邦移民・難民庁の汚職疑惑

難民問題は長らくドイツ国内、そして国際政治における大きなテーマであるが、最近国内でまた物議を醸す政治スキャンダルが発覚した。ブレーメンの連邦移民・難民庁が多くの亡命者、難民に不正にドイツ滞在許可を与えていた事が明らかになり、その中には当然スパイや犯罪者、テロ組織と繋がりがある危険人物も含まれているとされる。そしてこれが現在社会を揺るがす大問題に発展しつつある。

元々このブレーメンでの問題は2013〜2016年の間、およそ1200人の申請者に不正にドイツでの滞在許可を与えていたものであり、ここで不正を働いたとされる責任者は既に組織内で罰せられて内々に処理をされていた。

しかし、今年の1月から新たにブレーメン当局のリーダーとして就任したバイエルン出身の女性がこの不正問題を更に追求しようと試みたことが、今回の問題が社会にスキャンダルとして広まっていくきっかけとなった。ブレーメンの不正問題は氷山の一角であり、ニュルンベルクの連邦移民・難民庁の本部もこれに関わっている疑惑があると主張したのである。

彼女はブレーメン当局の新たなリーダーとして、ずさんだった当局の仕事を望ましいレベルまで引き戻したとされ、ニュルンベルクの本部から非常に称賛されており、非常に有能な人物であることを伺わせる。また、バイエルンの小さな村の村長を無報酬で努め、趣味で歌手としても活動しておりYouTubeに自らのビデオを載せている。おそらく、かなり正義感が強く、自ら公に出ることが好きな人物なのだろう。

彼女はブレーメン当局の不正は当初よりも更に大きなものだとし、更なる解明を求めて40ページに及ぶ報告書を作成し、これをニュルンベルクの本部に提出した。しかし、その報告書に本部は真剣に取り合おうとはしなかった。自らの上司を信用出来ないと思った彼女は、当時のバイエルン州の首相で、現在の連邦内務大臣であるホルスト・ゼーホーファーにこの件について直接話そうと試みたのだ。しかし、ゼーホーファーと直接話すことは実現せず、逆に彼女は突如デッゲンドルフという田舎の地方に転勤を命じられてしまう。そして、これで状況が更にエスカレートすることになる。

彼女はこの突然の転勤はこの問題に深入りしようとする彼女に対する口封じのための追放、更には復讐であると自らの所属する連邦移民・難民庁を訴訟したからだ。これはかなり感情的な解釈が混じっていると思われるが、状況から言って、彼女がこの不正問題の口封じをされていた可能性は高い。彼女は本部の上司から、これ以上この問題を公にしようとするなら、排除されると脅しを受けていたとされており、連邦移民・難民庁は難民認定における不正を隠蔽、汚職の疑いがあるという大きなスキャンダルとなっている。

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