口が悪い事で有名になってしまっている、FCバイエルン会長ウリ・ヘーネス

先週FCバイエルンの社長であるカールハインツ・ルンメニゲと、スポーツディレクターのハサン・サリハミジッチ、そして会長であるウリ・へーネスが神妙な面持ちで記者会見を行った。何のために天下のFCバイエルンの重鎮3名がわざわざ登場してきたかと言えば、チームや選手を批判するメディアに抗議する為である。まずはルンメニゲが「今日はFCバイエルンにとって重要な日だ」と物々しく語り、不当かつ下品な言葉で選手を批判する事は今後は一切受け入れられないと、3人で仰々しくまくし立てた。

この記者会見は絶不調にあえぐ選手たちを世間の過度な批判から守る為だったのは明らかだったが、余りにもわざとらしく説得力のない茶番にしか見えなかったので、更なる物議を醸す事になった。そもそも、FCバイエルンのボスであるウリ・ヘーネスの口は下劣なメディアよりも遥かに下品である。ヘーネスがドイツ代表を引退したメスト・エジルを何と言って批判したのか誰も忘れてはいない :

“Ich bin froh, dass der Spuk vorbei ist. Der hat seit Jahren einen Dreck gespielt”
この悪夢のような出来事が終わってほっとした。あいつは何年間もクソみたいなプレーをしてきた。

“Dreck”とは非常に不潔かつ不快な汚物一般を表す単語であり、極めて低俗な言い回しである。プレーを批判するのは構わないが、同じ批判をするにしても別の言葉を使うべきだろう。

更に、今回の会見中今年FCバイエルンからパリ・サンジェルマンに移籍したファン・ベルナトのプレーがテーマになった。ベルナトは昨年のチャンピオンズリーグのベスト8、FCセビージャ戦で失点に繋がるミスを犯し、FCバイエルンはこの日に彼を売却することを決定したとされる。ヘーネスはこの時のベルナトのプレーを“Scheißdreck”と呼んだ。つまり、先ほどの”Dreck”に更に”Scheiß”が加わった。

“Scheiß”或いは”Scheiße”という単語は現地でドイツ語を学習するとまず必ず最初に覚える言葉の一つであり、英語で言う”Shit”や”F●ck”に当たる言葉の一つである。意味的にはこれも元は「クソ(糞)」から来ているので当然極めて下品である。良識ある人間だと思われたいなら使うべきではない。もちろん、”Scheißdreck”は言うまでもない。

因みに、当のベルナトはこれに対して怒り狂うどころか、逆にリラックスしてFCバイエルンでの良き思い出を感謝して株を上げた。しかしおそらく、スペイン人のベルナトはヘーネスの”Scheißdreck”がどれほど下劣な言葉か多分ピンと来ていないのもある。

このヘーネスの下品な言葉に対しては当然批判が殺到し、同席していたルンメニゲがのちにフォローをしなければならない事態になった。ヘーネスはFCバイエルンをビッグクラブに押し上げた張本人でもあり、外部が受ける印象以上に実際には賢い人間である筈だ。しかし、この口の悪さは何とかした方が良い。多分この手の下品な言葉が癖になっている。

ところで、このFCバイエルンの記者会見と言えば、1998年に当時の監督ジョバンニ・トラパットーニによって行われた怒りの独演会が人々の記憶に残っている。これは今回のような茶番ではなく、もはやドイツサッカー史に残る伝説的なものになっているので、近いうちに紹介したい。