外国人への食料配給をストップして物議を醸しているエッセンのフードバンク

ドイツにも日本同様フードバンクと呼ばれる、食料品を生活困窮者などに配給する活動を行っている団体が存在し、これはドイツ語では一般に”Tafel”と呼ばれる。そのうちのエッセンというノルトライン・ヴェストファーレン州の街のフードバンク(Essener Tafel)が、今年に入ってから外国人に対する食料品の配給を当面ストップする措置を実行しており、国内で物議を醸している。言うまでもなく、これが外国人差別であるという理由だ。この件については、メルケルをはじめとした国内の大物政治家が介入する大議論に発展している。

このエッセンのフードバンクに言わせれば、食料受給者の75%は既に外国人であり、ドイツ人の年配の受給者やシングルマザーがこれらの外国人の集団に怯えている状態であるとのことだ。また、これらの外国人が女性に対し十分な敬意を払っていない行為が散見されるという理由で、この措置の決定に至ったとの事である。

そして、この措置に関してエッセンのフードバンクには各方面から激しい非難が浴びせられている。首相のメルケルも「このような分類の仕方は望ましくない」とし、ノルトライン・ヴェストファーレン州政府、その他多くの慈善団体、ベルリン、ヘッセン、ブレーメンのフードバンクもこの措置に反対の意を示した。

一方でこの措置に理解を示す意見も存在する。メルケルの同胞CSUの実力者アレクサンダー・ドブリントや左翼党の党首ワーゲンクネヒトはエッセンのフードバンクを擁護し、FDPの党首リンドナーも「メルケルはフードバンクを批判するのではなく、助けるべきだ」と述べた。そして、アンケートでもドイツ国民の3分の2がこの外国人受給ストップの措置に理解を示している。

幸いなことに私はフードバンクにお世話になるほど困窮しているわけではないが、このような著しくマナーの悪い外国人の存在は想像に難くない。おそらく、フードバンク側も彼らの振る舞いを余程腹に据えかねていたのだろう。そうでなければ普通この様な措置は取らない。差別だと問題になることはわかり切っているからだ。

実際に別のフードバンクでも外国人の割合は高いそうだが、外国人を排除するとは言わず、高齢者やシングルマザーを優先するなどとして、この問題を解決している。それも言ってみれば差別という人間もいるが、そちらの方が心情的にははるかに丸く収まる解決だ。非常にデリケートな問題なので、このように理屈だけでなく他人の感情に配慮した解決方法が望ましい。

しかし、ドイツは今や記録的な税収で世界で最も豊かな国の一つであると言われているが、一方でフードバンクがこのような誤解を招く措置を取らなければならない程人々は困窮しているのであろうか。そちらの方がむしろ根本的な問題だ。多くの外国人を受け入れている以上、これらを社会に適応させるのももちろんだが、このような社会の貧困問題に対しても早急に対策を打つべきだろう。