ドイツ、2021年第四四半期マイナス成長で不景気に突入の恐れ

2021年のドイツの経済成長率は2,8%となり取り敢えずはプラスに転じた。もっとも当初政府は3,5%、専門家も4%の成長を見込んでいたので期待よりも相当低い数値になる。とりわけ、第四四半期はマイナス0,7%のマイナス成長となった。

この原因は明らかで、11月頃からオミクロン株が急速に広がり始めたことで、年末に向けて規制が強化された為だ。殆どの場所に行くのにワクチン接種に加え24時間以内のテストが義務付けされたので、誰もこの状況でわざわざ外出して金を使おうとは思わない。

更にはパンデミックの影響で海外からの物品供給が滞っているので、買い物をしようにも品物が無い。外にも出れず、物も無いんだから景気が良くなる要素がほぼ何もない。

更に今年に入ってもオミクロンは猛威を奮っており、一旦下がり始めた感染者数も再び青天井で上がっている。現在の新規感染者の7日間平均はおよそ15万人に達しており、今や私の身の回りでも多くの人が感染している。

私はこれまで幸いな事に感染しておらず、毎日セルフテストも行って外出している。しかし、もはやワクチンを打って、マスクをして、消毒してどんなに気を付けていてもコロナには感染すると思った方が良い。

そんな状況なので、外にも出ても車の交通量は少ないし、人出もそれ程多くない。おそらく、このような状況はまだ暫く続くだろう。そう言う訳で、今年の第四四半期も多分マイナス成長になるだろうと予測されている。2期連続でマイナス成長となれば、一般には景気後退とされる。

まあ、景気が良かったところで金持ちが益々金持ちになり、我々庶民のストレスが劇的に増大するという事は経験済みなので、個人的にはそれ程悲観はしていない。夏場になってコロナが減ればどうせまた景気は良くなるだろう。現時点では、政府による今年の経済成長率は3,6%と予想されている。

気になっているのは、最近世間に物議を醸しているウクライナ問題で、もしもロシアとの対立がエスカレートすれば、ロシアからのガスパイプラインを止めると言う話が出てきている事だ。そんな事になれば、ガスの価格は爆上がりするだろう。つまり、庶民の暖房代も爆上がりは間違いない。ドイツがパイプラインで輸入しているガスの55%がロシアからのものだ。そんな事になれば、経済への悪影響も避けられないだろう。

因みに、どうもパッとしないドイツを尻目に、お隣のフランスは2021年7,1%の経済成長率を記録した。これは52年ぶりの高い成長率との事だ。スペインも7,2%の成長率を記録している。

この理由は、フランスやスペインはドイツよりもパンデミックの影響が甚大だった為、ドイツよりも大幅に大きい回復の余地が残されていた事に加え、ドイツは両国に比べ工業の比率が高く、パンデミックの影響で海外からの部品などの供給が滞っている事が響いているとの事だ。