バイエルン州、FFP2マスクの装着を義務化する

現在のドイツは7日間平均の新規感染者数がおよそ14000人、人口10万人あたり148名となっており、若干であるが減少の傾向が見られる。しかし、現在問題になっているのが例のウィルス変異種だ。知っての通り、これは従来のウィルスよりも遥かに感染力が強いとされる。そこでバイエルン州が取った更なる強力な措置が、小売店、公共交通機関におけるFFP2マスクの義務化である。

おそらく、数あるコロナ規制の中で最もその効果が議論されているのが、マスクの装着であろう。ドイツの右翼デモ隊などはマスクは全く意味がないと主張し、その装着を拒んでいる一方、日本では家や会食までマスクを要請されるなど、正しく実践する事はほぼ不可能な対策が推奨されている。こうなると、もはやマスクは神聖化されている。

実際には、現在我々が装着している一般のマスクは飛沫を飛ばす事を防いでくれる一方、外から来る微粒子は通過することは皆が知るところであり、バイエルン州首相ゼーダーも明確に「他人を守るため」と説明している。マスク無しなど当然論外だが、かと言って完全ではない。

一方、今回義務化されるFFP2マスクは主に業務用に利用されるマスクで、人々が普段使うマスクよりも空気中の微粒子の透過を9割以上防ぐことが可能、エアロゾル感染を防ぐのに効果があるとされる。つまり、他人を守ると同時に、自分も感染から守るのにも効果がある。

しかし、いきなり来週からこのFFP2マスクの義務化になった事で、当然ながら薬局やドラッグストアでも売り切れが続出した。私は仕方がないからアマゾンで頼んだが、来るのは来週の中頃である。ゼーダーによるとFFPマスクは市場に十分にあるとは言え、販売する店は普段売れる分しか仕入れないから、いきなり在庫が増えるなんて事はない。

また、このFFP2マスクは決して安くない。ネットで見ればピンからキリまであるが、現在1個あたりおよそ3ユーロ程度はする。しかも基本的に一回きりの使用を想定してあるので、毎度新しく換える必要がある。しかしおそらく、殆どの人はそれをせず再利用する。更にヒゲは完全に剃ってしっかりと隙間がないように装着しなければ意味がない。これらの取り締まりは不可能だろうし、多くの人も罰金さえなければそれで良い。

詰まるところ、FFP2マスクと言えど、正しく使わなければ意味がない。ましてや正しく実践せずに変な安心感だけ創出してしまい、他のコロナ対策が疎かになるようならば本末転倒である。そう言う訳で、このFFP2マスク義務化の効果が直ぐに出る事に私は懐疑的で、庶民に金だけ使わせて結局大した効果がなかった、という顛末にならない事を願っている。

もっとも、ゼーダーはこれまでも大袈裟過ぎるくらいにコロナの警戒を呼びかけ、他州に先駆けて強硬なルールを実践し、それらの多くは確かに的を得ていた。取り敢えず来週は罰金は無いらしいので、簡単な再利用の方法が浸透するか、十分な量が供給され入手価格が下がってくる事を期待したい。しかし、日本のアベノマスクではないが、それこそ1人2個ぐらいは無料で配って欲しかった。そうすれば、少なくとも買い出しで焦る事もなかっただろう。