CL4強 : RBライプツィヒ、パリSGに完敗を喫する

昨日はコロナモードCL4強、RBライプツィヒvsパリSGを観戦した。ネイマール、ムバッペ、ディマリア、シウバなどの錚々たるメンバーを揃えるパリSGに対し、RBライプツィヒはトッテナム、アトレティコ・マドリーという格上に対し番狂わせを起こし勝ち上がってきた。

このライプツィヒを率いるのが若干33歳入にしてブンデスリーガで最も優れた監督の一人に数えられるユリアン・ナーゲルスマンである。ナーゲルスマンはライプツィヒ得意の鋭いカウンターを先鋭化させただけでなく、アトレティコ戦ではボール支配率57%で勝利してカウンター一本槍のチームではない事を見せつけた。

そう言うわけでこの試合の見どころはまさにライプツィヒの「組織」vsパリSGの「個の強さ」だった。

しかし、蓋を開けてみれば前半早々から完全にパリSGの一方的な展開になる。6分にムバッペのスルーパスからネイマールのシュートがポストに当たったのを皮切りに完全に中盤を支配。13分にセットプレーからマルキーニョスのヘディングでパリSGは順当な先制点を上げる。

早めの失点でプランが完全に狂ったライプツィヒは攻勢にでるが、逆にその攻めを掌握したパリSGは前方でプレスをかけ始めライプツィヒのミスを誘い、攻めてはムバッペ、ネイマールが余裕のあるトリッキーなプレーで翻弄する。ライプツィヒは同点に追いつくどころか、何とか前半を1点ビハインド終えれば御の字という展開となってきた。

しかしそれも虚しく、42分にネイマールの見事なヒールパスからディマリアがゴール正面から左足で落ち着いて決め、ライプツィヒにとっては絶望的な2点目が入る。

ライプツィヒは後半司令塔フォルスベリを投入、更に1枚FWを増やしやや状況を改善するが、逆にパリSGは56分に後半最初のチャンスを得点に結びつけ勝負あった。ライプツィヒは90分間を通してチャンスと言うチャンスもなく、まさに格の違いを見せつけられた完敗だったと言える。

私はパリSGについては3年前のFCバイエルンとの試合から、金に物を言わせた寄せ集めチームと言う印象を持っていた。故にもしかしたらライプツィヒにもチャンスはあるのではないかと思っていたが、蓋を開けてみればパリSGは個々の強さ、巧さに攻守のバランスの取れた非常に強力なチームだと言う印象を持った。

監督であるトーマス・トゥヘルはかつてドルトムントで人心掌握に失敗し解任されたイメージが残っているが、昨日の試合を見る限りでは非常に良い仕事をしているのではないか。もともと戦術家としてはドイツでも非常に高い評価を得ていただけに、もしも決勝でFCバイエルンとの対戦になれば非常に面白い試合になるだろう。

一方敗れたライプツィヒであるが、攻守に高い連動性を感じさせる場面も稀ながら見せたものの、やはり選手個々の技術、アイデアといった能力差は如何ともし難い印象を受けた。ナーゲルスマンも「全ての面でもっと良く出来たとは思うが、だとしても勝つ事は無理だった」と完敗宣言をせざるを得なかった。

しかし、欧州の強豪を倒してのベスト4入りは見事という他ないだろう。昨年は16強でドイツ勢は全滅したが、今年は2チームが4強入りした事はポジティブな驚きである。本日はFCバイエルンがリヨンと決勝進出をかけて対戦するが、こちらも観戦したい。