FCバイエルン、ビジャレアルと引き分けCL8強で敗退する

世界トップクラブのひとつであるFCバイエルンがチャンピオンズリーグ8強で対戦したのは現在スペイン7位のビジャレアルである。普通に考えれば、誰もがバイエルンが勝利すると思うだろう。しかし、まずアウェイで行われた第一レグでFCバイエルンは0-1で敗れてしまった。そしてこの内容が悪すぎた。

スペインの選手はとにかく巧いのだ。この第一レグを見た限り、正直どちらが格上か分からないような試合内容であり、寧ろ0-1で済んだのはFCバイエルンにとって幸運だったと言える。昨日行われたホームの第二レグでFCバイエルンは2点差以上での勝利が必要な状況だった。

この第二レグで是が非でも得点が必要なFCバイエルンは3バックで自陣ゴール前中央を固める一方、両サイドの守備を度外視し、ウィングバックにサネ、コマンというドリブラーを配置した。間違いなく守備から入って来るであろうビジャレアルをサイドから徹底して攻略したいと言う意図が見て取れる。

しかし試合が始まればFCバイエルンはボールこそ支配するが決定的なチャンスは作れない。サネ、コマンのドリブルは一見すると脅威に見えるが、中央のレヴァンドフスキとミュラーが抑え込まれている。強いて言うならばムジアラのプレーからは可能性を感じさせるが、それも相手を脅かすほどでは無い。

唯一、後半立ち上がりの時間帯にFCバイエルンは立て続けに深い位置までボールを持ち込み、ビジャレアルを慌てさせた。そして見事なゲーゲンプレッシングからボールを奪い、52分にレヴァンドフスキが待望の先制ゴールを決める。

しかし、この後は再び試合はこう着状態に陥った。FCバイエルンは優勢に試合を進めているように見えるが、最終的には中央で潰されるか、遠目の難しい位置からのシュートを強いられた。ただビジャレアルにさほど攻めようと言う意図は感じない。

ところが、このまま延長に突入するかと思われた88分、ビジャレアルはカウンターからバイエルン守備陣の裏を取り、同点ゴールを決めて勝ち抜けを決定させた。危ない時間帯にも関わらず慎重さを欠いたFCバイエルンは完全に足元を掬われる形で敗退する事になった。

おそらく、この試合は監督であるナーゲルスマンにとって就任以降もっとも重要な試合だった筈だが、残念ながら期待はずれの内容だったと言わざるを得ない。

結局、世界最強のFWであるレヴァンドフスキが大半の時間帯で抑え込まれた事で、バイエルンは全くと言って良い程決定的なチャンスを得る事が出来なかった。もっとも両サイドで常時サネ、コマンの脅威に晒されながら極めて落ち着いて、クレバーに守備をしたビジャレアルは賞賛されて然るべきだろう。

シュート数こそバイエルンの24に対し、ビジャレアルはたったの4だが、2試合を通じてみても、ビジャレアルが勝ち抜けに値したと言えるだろう。