8月の休暇はクロアチアのウマグに一週間ほど滞在してきた。ウマグはスロベニアの国境近くにある、イストリ半島北西部にある街である。特にウマグでなければならない理由は無かったが、クロアチアは初めてなので、ひとまず車で早く到着出来る街にした。
そして、クロアチアといえばその綺麗な海で今や有名になっており、多くのドイツ人がバカンスシーズンになると訪れる。海岸沿いには海水浴場は幾つもある。大半は岩場か石の海岸で、水は場所にもよるが全般的に相当綺麗だった。特に岩場には多くの魚が泳いでおり、シュノーケリングを楽しむ事が出来る。
私が行った海岸はいずれの場所も手付かずの自然が残っている感じであり、レストランや他のレジャー施設はそれほど多くは併設されていなかった。尚、ほぼ何処の海岸でもアクアシューズは必須である。でないと足が痛くて歩けない。
日中の殆どの時間を海岸で過ごしたが、1日だけロビニという街を観光した。ロビニはおそらくイストリ半島では最も風光明媚で有名な街。街の中心部には教会があり狭い路地をどんどん上に登っていけば辿り着く事が出来る。
教会から降りる途中の崖の下から見る海が壮観だった。
ところで、クロアチアは地中海に面した国だけに食の部分でも期待していたのだが、ちょっとこちらは期待外れだった。厳密に言えば、イカやタコ、貝、トリュフやオリーブなどの食材の質は良いのだが、料理はイマイチだったと言うのが正直な感想である。同じアドリア海沿いの国でも料理のレベルはイタリアとはかなり差があると言っておきたい。
特にネットで書かれているのが、「クロアチアのパスタは茹で過ぎ」との話で、私はこれに同意する。これはクロアチアだけでなくスロベニアも同様で、更に味付けはとにかく薄かった。私はドイツ料理の味付けは大抵濃すぎると思う方だが、さすがに毎度テーブルの塩で味の付け足しをするとは思わなかった。
レストランのメニューもその豊富な食材の割にはさほどバラエティに富んでいる訳でもなく、その割に値段も高め。スーパーも多くの新鮮な海産物が並んでいるかと思いきや、ほとんどが冷凍品だった。
尚、スーパーはKauflandやLidlなどのドイツ資本が至る所に立ち並んでおり、品揃えも肉が中心で完全にドイツ人の嗜好に合わせてある。完全にドイツ人のバカンス地として成り立っているのだろう。私も車がドイツナンバーだからだろうが、ドイツ語で話しかけられた。
真夏だけにかなり暑かったものの非常に乾燥しているので、日本よりはマシだ。今年は南欧で山火事が問題になっているが、これだけ乾燥していれば納得できる。タバコのポイ捨てやグリルの後始末からあっという間に火は広がるだろう。雨は殆ど降らなかった。
総じて言えば、海は最高に綺麗で行く価値はある。しかし、それ以外の面では私はイタリアやフランスの方がリラックス出来る。旧東側の国で物価も安いと思いきや、リゾート地で寧ろドイツより高かった。その点なら隣国のチェコの方がよほど手頃な値段で好きな事が出来るだろう。
最後に言い忘れたが、クロアチアはシェンゲン協定に加盟してないので、入国にはパスポートが必要になる。これは盲点だと思うので気をつけた方が良い。通貨も現地でクーナに変えるのも面倒だ。両替は基本ATMで行えば最も安くつくが、下手をすればギョッとするような手数料を取られる。もっとも、聞くところによるとクロアチアも来年からユーロを導入するらしいので、それが実現すればかなり楽にはなるだろう。