不安だらけのドイツ、イングランドと幸運にも引き分ける

気がつけばカタールW初戦の日本戦まであと2ヶ月を切った。しかしドイツは先のネーションズリーグ、ハンガリー戦で全く良い所が無く敗れ、本戦に向けていきなり暗雲が立ち込めた。昨日行われたイングランド戦は是非とも勝利し気勢を上げて行きたいところである。久しぶりに感想を記しておく。

まず前半は慎重にボールキープしながらチャンスを窺うドイツに対し、3バックのイングランドはしっかりと守備ブロックを固めてカウンターを窺う展開である。ドイツがジリジリとイングランドゴールに迫っている雰囲気があるが、25分にカウンターからイングランドはスターリングがゴール正面から決定的なチャンスを得た。

ドイツはこれをテアシュテーゲンのスーパーセーブで防いだものの、ここから立て続けにイングランドがチャンスを得る。やはりプレミアリーグ仕込みのカウンターは速く、正確で、相当練度が高い事を窺わせる。

ドイツは時折良い形で崩せそうな雰囲気はあるが、決定的なチャンスを得るまでには至らない。足元でボールを受けたがる選手が多いせいか、どうも攻撃に回りくどさがある。前半は0-0で終了。

後半ドイツはホフマンに代えてヴェルナーを投入して縦へ速く攻める意図が感じられる。52分にドイツはムジアラのドリブルが反則を誘いPKを得て先制し、更に60分ごろからイングランドの動きが質量ともに急激に落ちた事で立て続けにチャンスを得た。そして67分、ハーヴァーツが見事なミドルシュートを決めドイツは2-0とリードを広げる。

しかし、ここから守勢にまわったドイツは徐々にイングランドの反撃に晒されるようになる。72分に左サイドから崩されたドイツは1点を返され、更にその3分後には中央を崩されてあっという間に同点に追いつかれた。

更にドタバタするドイツはシュロッターベックが枠内で明らかなファウルを犯しPKを与え、これをケインが完璧なコースに突き刺し逆転する。もはや悪い冗談としか思えない最悪の展開である。

ところがドイツはその直後にニャブリがヤケクソ気味に放ったシュートが相手GKのミスを誘い、こぼれ球をハーヴァーツが押し込んで同点に追いついた。結局このまま3-3で試合は終了した。

全体の内容から言えば引き分けはアンフェアという程ではないが、ドイツにとって幸運だったと言える。或いは、GKの差でドイツは辛くも引き分けたと言える。この日ミスを連発したイングランドのGKに対し、ドイツGKテアシュテーゲンはスーパーセーブに加え、相手のプレスに対しても落ち着いた足技を披露し、安定感抜群だった。

相手がイングランドと言う事を考えれば引き分け、仮に負けたとしても悲観しすぎる事は本来ないのだが、2点のリードをほんの10分程度でひっくり返されるのは如何なものか。全くもって強豪国と言うには程遠い稚拙な試合運びである。久しぶりに見てもザルな守備陣は相変わらずで、グダグダとボールをこねくり回すその攻撃はレーヴ政権末期と大差ない。

昨日の内容を見れば、日本にも十分に勝つチャンスがありそうに見えるが、どうだろうか。ハンガリーもドイツに勝った事を考えれば、日本が勝っても全く驚きではないだろう。いずれにしても、好勝負を期待している。