ドイツ語で普段使う時制は、現在形と現在完了形でほぼ足りる

ドイツ語は英語と親戚の言語であり、言語構造が非常によく似ている。少なくとも日本語よりは遥かに近い。故にドイツ語ができれば、英語が覚えやすくなる。ドイツ人がアジア人より比較的良く英語を使いこなせるのはこの類似性が大きいのは間違いない。英語で不明な事がある場合、ドイツ語で調べた方が理解できる事が多く、おそらく逆もまた然りで、英語が得意な人はドイツ語を覚えやすいと思われる。

もっとも、時制に関して言えばちょっと様相が異なる。ドイツ語の文法には現在形のほか、過去形、現在完了形、過去完了形、未来形、未来完了形が存在するが、その区別はかなりアバウトである。結論から言えば、日常で使用する表現の大半は現在形と現在完了形でカバーできる。

現在進行、現在完了、未来の出来事もドイツ語では現在形で表現する
ドイツ語には現在進行形がないが、これは現在形に”gerade”「ちょうど」などの語句を加える事で現在進行中の事象や行為を表現する。

Ich spiele gerade Fussball
私は今サッカーをしている最中だ。

また、”seit 10 Jahren”「10年以来」などの期間を表す語句があれば過去から現在へ続いている出来事も表現できる。英語では現在完了形を使うと思うが、ドイツ語は現在形を使う。

Ich spiele seit 10 Jahren Fussball
私は10年来サッカーをしている。

更に、”morgen”「明日」などの語句と共に未来の出来事を表現できる。英語では未来形を使うと思うが、ドイツ語では現在形で構わない。

Ich spiele morgen Fussball
私は明日サッカーをします

つまり、ドイツ語ではまず現在形がカバーする領域が広い。これに時間を表す語句を明示していつの出来事か表現する。これらの語句がなくても文脈で判断できる場合も多いが、未来の出来事を表現したいときにはそれを明確に示す”morgen”などが必要な事が多い。

過去、過去完了、未来完了の出来事をドイツ語は現在完了形で表現する
過去の出来事を表現する場合、ドイツ語での日常生活は過去形ではなく現在完了形(haben/sein+過去分詞)を使う。例外として”sein”、”haben”、”werden”および助動詞は普段でも過去形が使用される。或いは思いつく限り”wissen”、”gehen”、”kommen”は過去形を使ってもそれ程違和感はない。

しかし、その他の動詞では過去形を使用しても間違いではないが、多くの場合違和感がある。例えば“Ich spielte Fussball”とは普通言わない、“Ich habe Fussball gespielt”と言う。両方とも「私はサッカーをした」と言う意味である。

また、現在完了形に”bis letztes Jahr”「去年まで」などの過去の期間を表す語句を加えれば過去のある時点まで継続し、完結したことを表現できる。英語では過去完了形を使うと思うが、ドイツ語ではこれも現在完了を使う。

Ich habe bis letztes Jahr Fussball gespielt
私は昨年までサッカーをしていた

更にこれに”morgen”「明日」などの未来を表す語句を加えれば、未来に完結する出来事を表現できる。これも英語では未来完了を使うと思うが、ドイツ語では現在完了で構わない。未来完了形もあるが、意味は完全にこの現在完了形と被る。

Ich habe morgen meine Aufgabe erledigt
私は課題を明日に終わらせる

故にドイツ語では現在完了形のカバー領域も非常に大きい。要は「完結」したこと、することを表現したいときには専ら現在完了形を使うイメージである。もっとも、その他の時制も使わなくはないので紹介しておく。