ドイツサッカー連盟会長グリンデル、ついに辞任に追い込まれる

知っての通りドイツ代表は昨年のW杯で惨敗し、続くネーションズリーグもリーグBへ降格、全く思うような成績が残せず世界のトップから転がり落ちた。更にメスト・エジルは後味の悪過ぎる形でドイツ代表を引退、つい最近はFCバイエルンの3選手が代表構想外を告げられ世間の物議を醸してきた。まさにゴタゴタ続きである。そして、その大きな原因の一つがドイツサッカー連盟(DFB)のボスであるラインハルト・グリンデルのマネジメントの悪さであると言われていた。

事実、私もこのグリンデルの公での振る舞い、発言には大きな違和感を持たざるを得ず、同様の印象を持っていた。ドイツ語には”Der Fisch stinkt vom Kopf her”、直訳すれば「魚は頭から臭う」という諺がある。魚は頭から腐っていくが、転じて組織もリーダーが失敗する事で崩壊に向かうという事を意味している。まさに昨年からこれまでのドイツサッカーを象徴するような諺だろう。

まず、世間でこのグリンデルの悪評を一気に高めたのが、昨年W杯終了後のメスト・エジルの引退騒動である事は間違いない。この件についてのグリンデルの振る舞いは既に記事にしたので詳しい説明は省くが、要はグリンデルはエジルに対する一部差別的かつ低レベルな批判に対し、断固とした態度でエジルを守ろうとしなかった。

確かにこの一連に騒動に関してエジルの態度には大いに問題があったが、グリンデルもプロ、アマチュアを含めたドイツサッカー界のトップに立つ人間として、その危機管理の悪さは痛烈な批判を浴びた。そして、この時点でグリンデルは辞任すべきだという意見も世間の大勢を占めた。

しかし、ドイツはこの騒動の直後に決定されるEURO2024の招致という巨大プロジェクトの実現に向けてラストスパートを切っている段階であり、ここでお家騒動でトップが辞任する訳にはいかなかった。結果、ドイツはライバルのトルコを振り切りこのイベントの招致に成功する。グリンデルも先んじてエジルの件で謝罪しており、これでひとまず熱りは冷めた状態となった。

しかし、今年に入ってから再びドイツ代表に関して世間に物議を醸す事件があった。これまでの代表の顔でありFCバイエルンの3選手、ミュラー、フンメルス、ボアテングのドイツ代表構想外である。

この件に関してグリンデルは当初、断固として世代交代を敢行する意思を見せたレーヴの決断を歓迎し、全面的にサポートする姿勢を見せていた。しかし知っての通り、戦力外になった本人たちからはもとより、世間がこれに反対する意見が後になって出てくると、グリンデルはまたもや態度を変化させる。レーヴの戦力外になった選手たちへ対応及び世間への説明をもっと早くすべきだったとして、そのコミュニケーションのあり方を暗に批判した。

これは結局エジルの件と同じで、グリンデルは最初は部下を全面的にサポートするとしながらも、世間の批判の声が大きくなるとこれに同調して態度を変えるという事だ。これもグリンデルは慌てて「レーヴに対する批判ではない」と修正したが、当然ながらこの度量の狭い態度に世間は再び眉を潜めた。

そもそもこの件に関してレーヴは間違った振る舞いはしていない。この3選手の実績、年齢、そして代表の看板選手であるというステータスを考えれば、どうやっても本人および世間の反発は免れない、極めて難しいスポーツ上の決断をしたという事に過ぎない。

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