ドイツの新型コロナ情勢はかなり厳しくなっており、現在ではワクチン未接種者にかなりの接触制限が加えられている。更には我々接種済みの者にも、多くの場面で再びテストの陰性証明書が必要になっている。この為テストセンターに行けば長蛇の列で、自分で買えるセルフテストキットも何処へ行っても売り切れ状態だ。
ほんの秋口まではワクチンの普及などもあり、殆ど新規感染者の数は増えなかった。おそらく、現在の日本のような状況である。思った程上がらないワクチン接種率も大きな要因かもしれないが、これでもう収束だと人々が一気に警戒を緩めた事が、現在の大流行に繋がっているのは間違いないだろう。
しかし、政府に言わせれば、あくまでワクチンの接種こそがパンデミックを抜け出す唯一の道として接種キャンペーンに必死だ。その甲斐もあってかドイツの接種率はここに来て再び上がり始めたが、まだ7割にも届いていない。
そこでやはり出てきたのが、ワクチン接種を義務化すると言う話である。コロナ政策ではいつもドイツより一歩先の強硬措置を出すオーストリアは2月からの義務化を既に決定している。民主主義国なんだから強制接種など有り得ないと誰もが思っていたが、今では突如として皆が強制接種はもはや不可避と考えており、今の流れからすればドイツにも確実に来る。
とは言え、現在の波を止めるのにワクチン接種の義務化は殆ど意味はないのは明らかで、この効果が出るのは、あくまで未来に今回のような大きな流行が来た時だ。現状を改善するには、やっぱり多分ロックダウンしかない。現在の厳しい措置は確か12月15日までなので、多分その後はクリスマス休みに合わせてロックダウンになる。そうなれば、去年と全く変わらない。
また、最近またオミクロンと名付けられた、驚異的に感染力が強いとされる変異株が出現した事は皆の知る所であるが、例によってドイツでも既に2件確認された。そしてその2件は例によって私の住むミュンヘンである。まあ、現在の大流行を見れば2件どころではない事は間違いないだろう。
聞くところによれば、この変異株はワクチンがあまり効かない可能性があるそうだが、仮にそうだとすれば、政府のワクチン戦略は根本的な見直しを迫られる事になるのだろうか。現在のところ、多くの専門家に言わせれば、落ちるかもしれないが、現在のワクチンでも効果はあるとの事で、依然として接種が強く推奨されている。
いずれにしても、現在は猫も杓子も接種しろと言わんばかりの強力な同調圧力がドイツにもある。いっそのこと義務化にしてしまえば、そのような不快な議論や市民によるワクチン警察は消えるかもしれないが、おそらく巨大デモが発生するだろう。既にオーストリアでは数万人単位のデモが発生している模様である。