NL第4節:4バックに戻したドイツ、スイスに3失点するも引き分けに持ち込む

昨日はネーションズリーグ第4節、ホームでのスイス戦を観戦した。スイスとは第2節で既にアウェイで対戦しており、この時は極めて不満の残る内容で引き分けだった。FCバイエルン、RBライプツィヒ組が加わった今回のホームの試合では是が非でも内容の伴った勝利を期待したいところだ。最大の目標であるEURO2021まであと8ヶ月である。

本来なら既にチーム格子、メインとなる戦術は固まっていなければならないのだが、ここに来て昨年からレーヴが用いてきた3バック(5バック)のシステムに限界が見え始めてきたのも事実だ。そしてこのスイス戦でレーヴはおよそ1年ぶりに4バックのシステムに戻す事を決断した。前回のウクライナ戦での3バックからズューレを外し、2列目にドイツ期待の若手、カイ・ハーヴァーツを起用したシステムである。

しかし、試合が始まるといきなりドイツは自陣左サイドで相手のプレスに引っかかり、大ピンチを迎える。このシュートはノイアーが防いだが、直後のコーナーキックのクリアボールを再び中央に放り込まれると、あっさりと相手FWにフリーでヘディングを許して失点する。やる気があるのか疑わしい最悪の守備で、いきなり雲行きが怪しくなる。その後もドイツは全くリズムを掴めない。

20分頃から良い形が出来つつあったドイツだが、26分にスイスは中盤でクロースのパスミスをさらうと、カウンターでドイツ守備陣の裏を取り2点目を上げる。これが怖いからレーヴはこれまで3バックでゴール前を固めたのだろう。しかし今日は4バックの弱点が出た。このまま惨敗するような事が有れば、レーヴの首が飛ぶだろう。

しかし直後にドイツはノイアーの長いキックから自らドリブルでゴール前に持ち込んだヴェルナーが左足でボールを流し込んで1点を返す。その後も徐々にではあるが、ドイツが盛り返しつつある。前半は2-1で終了した。

後半ペースを掴んだのはドイツだ。49分にハーヴァーツがポストに当たるシュートを放ち、更に55分には同じくハーヴァーツが中央高い位置で相手のパスを奪うと、そのまま自ら持ち込み得点する。これで2-2の同点とした。

しかしその直後の57分、CBのリューディガーが引っ張り出されて中央をガラ空きにしたドイツはスイスの波状攻撃を喰らい、最後はペナルティエリア中央から豪快なシュートを打ち込まれ再び勝ち越される。これもやる気があるのか疑わしくなる、余りにも酷い連携とポジショニングである。

再び勝ち越されたドイツは60分、ハーヴァーツのパスからヴェルナーが右サイドを突破、このグラウンダーのクロスをニャブリがヒールキックでゴールへ流し込み再び同点に追いついた。その後はややドイツが押し気味に試合を進めるが、結局両チームとも勝ち越しゴールを上げる事は出来ず、試合はそのまま3-3で終了した。

試合は殴られたら殴り返すスリリングな打ち合いで、トータルでみればややドイツが勝利に近い印象だった。スイスは決して悪いチームではなかったが、ドイツは前半の出来が非常に悪く、特に守備陣の連携は最悪だったと言える。いきなり3バックから4バックに移行した影響もあるかもしれないが、ゴール前で相手にスペースを与え過ぎだろう。

まあ2点目のようなパスミスからカウンターで裏を取られて失点するパターンは個人的には計算に入っており、これは今回に限らず監督がレーヴになってから何度も見た。おそらくこれを完全に防ぐ事は不可能であり、スイスのフィニッシュも見事だった。これは今回に大目に見ても良い。

しかし、1点目と3点目に関してはドイツの守備陣はあまりにもお粗末で殆どお話にならないレベルと言える。そもそも、全体的に攻撃に意識が行き過ぎで、守備は他力本願の雰囲気がありありだ。更に解説のシュヴァインシュタイガーが指摘していたが、守備陣をオーガナイズし、叱咤激励するリーダーが必要ではないか。これは無いものねだりと知っていても、今こそバラックのような強権的なリーダーが居ればと思ってしまう。

一方の攻撃であるが、ガタガタの守備とは反対にかなりのポテンシャルを秘めている。昨日特に良かったのはハーヴァーツで、バイタルエリアでボールを持てば何かをしてくれそうな雰囲気があった。自ら持ち込んで貴重な同点ゴールも決めており、しっかりと結果も出した。

これにサネ、ニャブリ、ヴェルナーの快速FWに加え、ゴレツカが屈強な体格を活かして後方から飛び込む形などが出てくれば、かなりの破壊力が出てくるのではないか。更にはキミッヒ、クロース、ギュンドアンのパサーに加え、今回は招集されなかったがベテランのロイスもいる。

トップクラスの攻撃にザルの守備、現状のドイツは攻守のバランスとれた隙の無いチームとは程遠く、残り8ヶ月でこれが劇的に改善する事は期待薄だろう。いっそのこと守備の酷さは目を瞑り、どんな乱打戦になろうが相手よりも多くゴールを決めれば良いと割り切る事が必要かもしれない。