NL第3節:ドイツ、ウクライナに辛勝しネーションズリーグ初勝利を上げる

昨日はネーションズリーグ第3節、ドイツ対ウクライナを観戦した。ウクライナは選手の一部にコロナに感染が確認されており、かなり弱体化している。先のテストマッチ、フランス戦では7-1で惨敗した。

一方のドイツも昨年も含め未だネーションズリーグで勝利がないばかりか、前節でスイスと低調な内容で引き分け、更には先週に行われたテストマッチ、トルコ戦でも3度のリードを守りきれず引き分けた。完全なBチームだったとは言え、ロスタイムの失点での引き分けは最近のスペイン戦にも続く後味の悪い内容だった。何度も同じ失敗が繰り返されるのでは、監督のマネジメントに疑問が呈されて当然である。内容が悪ければ、レーヴの進退問題に発展するだろう。

昨日は満を辞してFCバイエルン及びRBライプツィヒのメンバーが加わり、まさにベストメンバーで臨む試合となった。相手のチーム状態も考えれば、アウェイとは言え内容も伴っての完勝が期待される。

試合は予想通りボールを保持するドイツに対し、ウクライナが中盤の厳しい守備からショートカウンターを狙う展開となった。ドイツは序盤からビルドアップでのミスが目立ちウクライナにカウンターを許すが、ウクライナの攻撃は雑でフィニッシュまで持ち込めない。

攻めあぐねるドイツであるが、20分に左コーナーキックからこぼれ球を拾ったリューディガーが右サイドを強引に突破し、この低いクロスをギンターがゴールに流し込んだ。巧さはないが、パワーで相手をねじ伏せた。リードしたドイツは試合を落ち着かせるべく、より安全にボールを回し始める。前半はこのまま1-0で終了した。

後半も同様の展開でスタートするが、ドイツは49分にウクライナGKのキャッチミスでこぼれたボールをゴレツカが頭で決めてリードを2点に広げた。これでウクライナは気落ちしたのかドイツが完全に試合を支配し始める。ドイツはここで一気に勝負を決めるべく立て続けに好機を得るが決めきれない。

しかし、ウクライナは70分に2名のFWを同時交代するとやや盛り返した。そして77分、ペナルティーエリア内に抜け出したFWがズューレに倒されPKを獲得、これを決めて1点を返す。このズューレのタックルは完全な判断ミスで、笛を吹かれた瞬間の本人の表情がそれを物語っている。これでウクライナはドイツ陣内に攻め込み始め、試合は分からなくなってきた。

ドイツは80分にドラクスラーに代えてFWヴェルナー、90クロースターマンに代えてチャンを投入し逃げ切りを図る。更にロスタイムにはニャブリに代えてハーヴァーツを投入し、レーヴは勝利に向けてなり振り構わない采配を見せる。結局ドイツはこのまま逃げ切る事に成功し、2-1でネーションズリーグ初勝利を上げた。

ウクライナが決して強いチームではない事を差し引いても、今回は何とかリードを守りきり勝利を上げたという点で評価できる試合だった。トータルの内容から言っても勝利は順当なもので、この勝利自体にケチをつける理由は見当たらない。もっとも、昨日のドイツの出来は決して良かった訳ではなく、特に問題となったのはビルドアップ時の中盤でのパスミスである。

これについては、この日解説をしたシュヴァインシュタイガーのコメントがおそらく皆の思う所を代弁しているだろう。要は3バック(5バック)にしている為、中盤の枚数が少ないからだ。相手よりも少ない中盤でボールをキープし、試合をコントロールする事は容易では無く、相手がプレスに来れば当然ミスを犯しやすくなる。シュヴァインシュタイガーは故に4バックにして中盤の枚数を増やすべきだと述べた。

私もドイツ代表があくまで中盤を支配し、試合の主導権を握りたいのであれば、現状の守備陣の人材不足を差し引いても4バックの方が適していると思っている。現在のように3バックでカウンターに保険をかけながら中盤を支配する戦術は、EURO本戦でまたもや絵に描いた餅になるのではないか。

個々の選手に関して言及したいのは、昨日再びスタメンで出場したドラクスラーだろう。私のドラクスラーに対する評価はすこぶる低いが、レーヴの評価は高いらしく何度もチャンスを与えられている。確かに昨日のドラクスラー積極的な仕掛けで攻撃のアクセントとなっており、良い場面も演出した。

しかしドラクスラーに必要なのは、昨日のような重要な試合で目に見える結果を出すことだろう。昨日は良い出来だったが、やはり決定的なチャンスを決めきる事ができなかった点が惜しまれる。もともと能力自体は高い事は誰もが知っており、化ける可能性は秘めている事は事実だ。

ところで、昨日は久しぶりのARDでの中継で初めてシュヴァインシュタイガーの解説を聞いた。現役の時はあまり喋りが得意な印象では無かったが、さすがに元キャプテン、チームの司令塔だけあって非常に興味深い視点に加え、なかなか歯に衣着せない物言いは好感が持てた。次回のスイス戦でも解説なので、楽しみにしている。