ドイツにおける配達時の荷物「放り投げ」問題

先週、日本でアマゾンの配達員が配送物を放り投げている現場がまんまとビデオに撮影され、問題視されているというニュースを読んだ。当然これは日本で「有り得ない」とされる行為であり、多くの人が問題視するのは理解できる。「海外においては普通だ」などとも言われるが、だとしてもこれは決して褒められた行為ではないので、少なくともドイツでは同様に問題視されるとは最初に言っておきたい。仮に私の荷物がそのように扱われている所を目撃すれば、仮に中身がOKでも配達員に一言物申したくなるだろう。

もっとも、この日本のアマゾンの配達員は荷物を数メートル狭い道路越しに投げるものであり、はっきり言えば、こんな程度はドイツでは序の口である。ネットで検索すれば、山ほどこれより酷い事例が出てくる。

まず、グーグルで“Paket werfen“=「荷物 投げる」で検索して出てきたのが、DHLの配達員が荷物を放り投げて、更に「蹴る」との見出しのニュースである。まあこれは大衆紙”BILD”の記事なので誇張しているのは間違い無いが、酷いにも程があるだろう。残念ながらこの動画は既に削除されている模様である。

しかし、他にも驚きの事例で動画に残っているものはある。とあるヘルメス(運送業者の一つ)の配達員は配達物を届ける為に、車の上によじ登り、勢いをつけて3階にあるベランダに向けて放り投げた。荷物は2回空中高く舞い上がり地面に落下、3回目のトライでベランダに着地し、配達完了となった。言うまでもなく、こんな事が日本で起これば配達員がクビになるのは勿論の事、会社自体が存続の危機に立たされるだろう。

しかし、この配達員に対する反応は案外肯定的なものが多い。言うまでもなく、再配達は受け取る側にとっても、配送する側にとっても負担になる為、手法はともかく一回目の配達で処理しようという姿勢は必要な事だ。またその結果、中身の荷物に損傷などなければそれでOKであるという考え方だ。当のヘルメスは当然ながら、このような事は容認できないと公にはコメントしたが、もしかしたらその姿勢を評価した上で注意程度で済ませているのかもしれない。

またこの「ベランダへの放り投げ」は知られる限り唯一の事例ではなく、確実に他の業者及びドライバーも行っている。とあるDHLの配達員は、荷物を投げてベランダに入れるつもりが、誤って屋根の上に着地したという事例がある。

通常配達員がどこかに荷物を置いて行った場合、配達票にその場所を記してポストに入れておく。当然この場合、その配達票に「屋根の上」と記された。これを自宅に帰って見た受取人は間違いなくドッキリだと思うだろう。もっとも、この配達員は正直に配達票に「ベランダに投げ入れるつもりが勢いをつけ過ぎて屋根に着地してしまった。申し訳ない」と追記で記している。

まあ、これらの極端な例に限らず、間違いなく受取人の見えない所で荷物は投げられ、転がりまくっているし、おそらく誰でもそのくらいは計算に入っている。アマゾンの梱包が最近必要以上に厳重なのはそのせいだろう。確かに不快とは言え、多くの場合は中身は問題ないのでトラブルにまでなる事は少ないかもしれない。但し、これは誤って何かにぶつけてしまう、或いは人身事故のリスクがあるので、極めて危険である事には変わりは無い。荷物の中身云々よりもそう言う意味で寧ろ問題がある。

更にもう一つ、「放り投げ」同様に問題視されているのが、配達員が荷物をあらぬ場所に置いて立ち去っていくパターンである。