EUはサマータイム制度の是非を問うアンケートを実施中

日本ではオリンピックに向けてサマータイムの導入が検討されるそうだが、逆にEUでは現行のサマータイム制度の廃止が本格的に検討されている。現状EUにおいては3月末の日曜日に通常時間(ウィンタータイム)から時計の針を一時間進め、10月末の日曜日にこれを元に戻すというルールである。

元々は夏場の日照時間を有効に使うという省エネの目的で導入したこの制度も、実は意味のない事が判明している。それどころか逆に時間調整による健康被害や社会の混乱などのデメリットが大きいと言う声も大きいからだ。直近の国内のアンケートによるとドイツ人の7割以上がこの制度の廃止を望んでいると言われている。

そこで欧州委員会は域内に住む人を対象にサマータイム制度の是非についてオンラインアンケートを先月から実施している。アンケートは8月16日まで実施され、このアンケートでサマータイム制度の廃止が多数を占めた場合、欧州委員会は加盟各国及び欧州議会にこの制度の変更案を提出するとされている。

アンケートの内容は、まずは年に2度ある時刻調整の影響を5段階で評価し、このままサマータイム制度を継続あるいは廃止するべきかを理由も選択して答える。更に現行のサマータイム制度を廃止する場合、常時サマータイムにするか、常時ウィンタータイムにするべきか答えるものだ。

私もこのアンケートは既に回答させて貰った。私にとって現行のサマータイム制度はデメリットの方が圧倒的に大きく、是非とも廃止して頂きたい。たかだか1時間とはいえ、身体にも精神的にも負担になる。サマータイム自体に問題はそれ程ないが、年に2回の時刻変更が大いに問題である。

常時サマータイムが良いか、ウィンタータイムが良いかは難しい所だが、個人的には常時ウィンタータイムの方が無難ではないかと思う。常時サマータイムになれば夏場は確かにかなり遅い時刻まで明るくなるが、そうなると冬場の日の出もかなり遅い時刻になってしまう。仮に夏場がウィンタータイムでも20時ぐらいまでは明るい。それだけ日が長ければ十分だ。

このアンケートは開設初日から多くの人が参加してサーバーがダウン寸前になる程関心を集めているテーマでもある。しかし、サマータイム制度の是非は最終的に全てのEU加盟国の事情を考慮しなければならないのが難しいところだ。ドイツ以外の国の人々はどのように考えているか、興味深いところである。これまでのところ、リトアニアは常時サマータイムを希望している事が分かっている。