多くのドイツ人に忌み嫌われるドナルド・トランプ

今週のドイツはアメリカ大統領選挙一色だ。ドイツに限らずこれは世界的に同じであろう。テレビ各局とも昨日から選挙特番を組んでおり、今日はライブで選挙結果を速報する予定となっている。今後の世界情勢に重大な影響を及ぼす決定が行われるゆえ、夜ふかしをして選挙速報を観るつもりだ。

個人的にアメリカ大統領選挙で思い出されるのは、2004年のジョージ・w・ブッシュvsジョン・ケリーの対決である。この時のドイツは報道の中立などどこ吹く風と言わんばかりにブッシュを毛嫌いしていたが、それも虚しくブッシュが当選した。この直後に当時一人暮らしだった私の家に、兵隊がザクザクと歩く音を録音したイタズラ電話もかかってきたりした。

まあそんなことはどうでも良いが、ブッシュが理不尽なイラク戦争を強行した結果、中東情勢は大混乱に陥り、結果として大量の難民や野蛮なテロリストたちを生み出す結果となり現在世界的にそのツケを払わされている。これだけでもアメリカの大統領が誰になるかで、世界がどうなるか身に染みてわかると言うものだ。

話が横道に逸れたが、トランプとクリントン、どちらがドイツ人にとって好ましいかといえば、断然クリントンだ。ただし、私の感覚ではこれもトランプが余りにも政治家として計算できない上に、その差別的で下品な発言が嫌われているからだ。その嫌われようは絶対値でいえば恐らく当時のブッシュを超えるであろう。

アンケートによるとトランプを大統領にしたいと思っているドイツ人は全体の5%にも満たない。トランプと似たような政治的主張をするドイツの右派ポピュリスト政党AfDの支持者でさえ7割以上がクリントンの方がマシだと思っている。政策云々以前に政治家として不適格な発言が多すぎるのだ。

対するクリントンも迷ったら戦争をすると言われる好戦的な外交政策に加え、あの笑顔の裏側に隠れた腹黒く陰険なイメージもあり、こちらも好感度は本来それほど高くない。ドイツにとってクリントンは間違いなくオバマよりも難しいパートナーになると予測されている。

しかし、これまでのところドイツやメルケルに対して好意的なコメントを残しており、政策的にもドイツが望むものに近い。これらは社交辞令とはいえ、政治家としての安定感はトランプと比較にならないくらいポジティブな印象がある。因みに私が雑誌シュピーゲル・オンライン版で、どの候補者の考え方に一番近いかというテストを選択式の設問に答えながら行ったところ、クリントンと言う結果になった。

別に全然嬉しくないが、個人的にもトランプは勘弁してほしいと言うのが本音である。現在の情勢では僅差でクリントンが勝つ可能性が高いとのことだが、トランプのような候補者がこれ程までにアメリカの大統領の座に近づいているのは今後の世界にとっても由々しき事態であるだろう。