ドイツで自家用車を個人売りした時の忘備録

約2年ほど前、新しい車を手に入れて古い自家用車を個人売りした。個人で売るには高額になるので若干不安もあったが、ディーラーに売ると価格を相当叩かれると聞いていたので個人売りをしようと決めた。結果上手くいったのでその時の記録を忘れないうちに記しておきたい。

販売から完了まで私がとった大まかな手順は:

  1. 車の査定及び大まかな販売価格の設定
  2. インスペクション及び車検の実施
  3. 写真を撮影し、インターネットに掲載する
  4. 脈のありそうな応募者に試乗及び交渉のアポを取る
  5. 試乗機会を提供し、その場で販売交渉をする
  6. 契約書の記入と現金の回収、車の引き渡し

まず車の査定は自分の販売価格の正当性を示す為に必要とした。大まかな査定ならオンラインで簡単にできる。一般的なのはschwacke.deで7,9ユーロ払えば証明書も出してくれる。またインターネットで同程度の車の販売価格を調査して、大まかに自分がどの位に値段で販売すべきか見当をつける。私の車はトヨタの2008年式のコンパクトカーで、約7500ユーロで販売する予定とした。

インスペクション及び車検はその車が健全である事を示す為に実施するが、ここで欠陥(Mangel)が見つかれば当然修理する。一方で中古車として年相応に経年劣化(Verschleiß)しているパーツは特に修繕はしない。買い手に難癖つけられても対応できるように、欠陥ではなく経年劣化である事を修理を実施した業者に確認しておいた。

写真撮影に際し、車は内外部とも綺麗にクリーニングし、購買意欲をそそるものでなければならない。キズなどははっきりとその程度が分かるように大きく撮影する。写真は車のオンライン販売サイトの、autoscout24.deとmobile.deに載せた。車の説明は出来るだけ詳しく、販売に至る経緯なども書き、テキストはドイツ人にチェックしてもらった。

最終的に価格は7399ユーロに決めた。この価格はVerhandlungsbasis(VB)と呼ばれ、買い手と交渉する上での基本価格である。ここから幾らか値引きされるが、最悪7000ユーロ以上で売る事を目標とした。

インターネットに載せると興味を持った者が応募してくるが、この時点である程度まともな応募者か見当をつけておく必要がある。ここでいきなり値段交渉から入ってくる輩は除外する。大体、何の理由で実物を見ていない人間に値引き出来るのだ。こんな連中は大抵買った後で難癖つけて問題を作ってくる。私は最終的にとある女性とアポを取った。

彼女は予想通り、車に詳しそうな男性を同伴させてきた。この男性は整備士で私の車を隈なくチェックすると、左前輪近くサイドシルあたりの凹みを指摘した。これは私も知らなかったが、そういえば1度歩道に乗り上げた事がありその時にできたんだろう。

男性は居合わせたゲレンデでジグザグのテスト走行をして、走行に問題ない事を確認した。買い手の女性はその他質問を並べてきたが、全て想定内の内容だったので問題なく対応できた。とにかく、全ての事を誠実かつポジティブに説明した結果、7100ユーロで女性は是非買いたいとの事で話はまとまった。

因みにこの女性、私にとって幸運な事に公道での試乗をする事なく車の購入を決定した。この試乗で事故をするなどしてトラブルになるケースがあるので、身分証明書を担保にとったり、試乗の為の誓約書にサインをさせるなどする必要がある。結構面倒臭いことを想定していた。

そして、この買い手の女性とは車の引き渡しと代金の回収のため再び会った。あらかじめADACのサイトからダウンロードして印刷した契約書を記入してもらい、代金を回収する。車は私の名義のまま引き渡した。

この場合、名義変更はこの女性にしてもらうので、必ず車の引き渡しの日時を書類に記入、サインをもらって保険会社に連絡しなければならない。さもないと、引き渡し後名義変更する前にに事故が起こった場合、私の責任になってしまう。しかし、これでリスクが完全になくなるわけではない。本来、車を一度登録解除して販売した方が安全ではあるが、そうなると車は公道に置けなくなるので、それはそれで面倒くさい。

幸いなことに、この買い手の女性は車を引き取った後すぐに名義変更を済ませてくれた。彼女はこの車で2週間後ポーランドまで行くと言い、無事に到着した時には私にSMSを送ると約束した。はっきり言ってそんな報告は必要なかったけれど、これは彼女にとって試験みたいなものだったのだろう。そして彼女は実際にSMSで無事についた旨を報告してきた。車にも満足している様子で私も安心した。

そういうわけで車を無事販売できて私も満足だったが、一つだけやり忘れたと思っていることがある。この車をディーラーに売った場合、実際どれ程の価格になったのかということだ。いつかまた車を売らなければならないかもしれないので、これは聞いておくべきだった。