ドイツ人の定番リゾート地、ガルダ湖畔のラツィーゼとバルドリーノ

ガルダ湖とはアルプスの南、北イタリアのヴェローナ県、トレント県およびブレシア県にまたがって広がる湖である。その広さは370㎡でイタリアで最も大きい。春先でもまだドイツでは寒く雪が降るような日があるのに対し、ガルダ湖周辺は既にかなり暖かく、気温が20度近くになる日も珍しくない。更に食事が美味しく、ドイツ語が通じ、車で行くことが出来るという手軽さも手伝って、このガルダ湖周辺はドイツ人の定番リゾート地として定着している。先週、休暇を利用してこのガルダ湖畔にあるバルドリーノとラツィーゼと言う街に行ってきた。

一般的にガルダ湖の北側の方は山岳地帯であり、どちらかと言うとサーフィンやダイビング、ハイキングなどのアクティブ系のバカンスに適していると言われている。一方平坦な地形の南側は家族連れが楽しむのに適したレジャー施設が多くある。バルドリーノとラツィーゼはこのガルダ湖南東の湖畔にある街だ。

まず私が訪れたのはラツィーゼの方だ。まず向かったのは湖畔の大きな広場で、ここで湖の景色を見ながら散歩した。この眺めの良い湖畔の広場は多くの人々が佇む憩いの場となっており、イタリア語だけでなく、多くのドイツ語も聞こえてきた。オレンジやオリーブのようなイタリアらしい木も並び、カフェやアイス屋も多くある。

そのあとは旧市街をぶらぶらと散歩した。ラツィーゼは人口7000人ほどの小さな街であるが、その旧市街は中世の街並みが非常によく保存されている。中世の間軍港として利用されていた名残なのか、旧市街は現在でも城壁らしきものに囲まれており、車は一切入ってこない。狭い路地には多くのレストランや小さな地元の商店が並んでおり、イタリアの雰囲気を堪能できる。私はここで2本ほど宿で飲む為のワインを買った。後述するが、この近辺は良質なワインの生産地としても有名である。非常に落ち着いた雰囲気の街であり、日頃のストレスから解放されて骨休みするには最適な地であろう。

もう一つラツィーゼが多くの人のリゾート地として定着している理由として、すぐ近くに子供用の巨大テーマパークが存在が挙げられる。代表的なのはガルダランド(Gardaland)と呼ばれる、イタリア最大の遊園地があることだろう。更に、アクアパークやムービーランドもあり、子供が楽しめる施設も多くある。

私が訪れたもう一つの街バルドリーノはラツィーゼの北に位置する人口10000人ほどの街である。この街で有名なのは何と言ってもそのワインであろう。私がラツィーゼで買ったワインももちろんバルドリーノ産の赤ワインだ。私は6,95ユーロの比較的手ごろな価格の物を選んだが、これは非常に美味しかった。さすがにドイツのスーパーで買うワインとは雲泥の差である。因みにもう1本は白ワインを買ったが、これは店員の勧めに従ってルガーナ産を買った。白ワインはドイツでも良質なものが手に入るとは言え、こちらも非常に美味しかった。

バルドリーノの街はラツィーゼと同じく中世の趣のある街であるが、こちらは一部車が入ってくるので、そちらはややストレスに感じた。また、ラツィーゼに比べるとやや観光地化した感があったので、街としての好感度はやや劣る。期待していたようなワイン専門店も見つからず、お土産屋で再び2本のワインを買った。しかし、湖畔の広場から始まる散歩道は非常によく整備されており、ガルダ湖の水も非常に綺麗だった。ここを歩けば湖の雰囲気を満喫できるだろう。ここは遊覧船も発着しており、それが目的の観光客も多数見かけた。