コンディションは最悪、組織も最悪、メキシコに惨敗したドイツ

知っての通り、今日はW杯のドイツ代表の初戦であるメキシコ戦が行われ、ドイツは0-1で敗れるという番狂わせを許した。私はドイツ代表の試合は何度も観戦して来たが、今回のチームは私が見た中では過去最強だとも思える布陣であり、それに相応しいだけの素晴らしい内容をこれまでも見せて来たので、期待は大きかった。

しかし、今日は全てが「有り得ない」と頭を抱える程酷い試合だったと言える。確かにまだこれでW杯は終わりでは無い。しかし、結果以上に内容が絶望的に酷かった。試合経過については、各メディアで紹介してあるので、個人的に気が付いた点を考察していく。

まず、試合が始まれば、ドイツの選手のコンディションの悪さが明らかになった。これは肉体的にではない、寧ろ精神的にだ。ドイツの選手には闘う意思が見えなかった。とにかく寄せが甘すぎる、直ぐに倒れる、スタッツは知らないがドゥエルでは殆どメキシコに負けていたのではないか。特に前半は酷かった。

確かに今日の審判は笛を吹かなかったが、それでもドイツの選手の軟弱ぶりは完全に親善試合と同レベルだ。これで本気で勝てると思っていたのなら、舐めていたとしか思えない。後半やや改善されたが、目覚めるのが遅すぎた。

そして、今日のドイツは、私の目から見れば組織的にも最悪だった。とりわけ、カウンターに対する対応の悪さは絶望的なレベルだったと言える。簡単に言えば、8人で攻めて2人で守る、超リスキーな攻撃的サッカーであり、このような超攻撃的な戦術で中盤でボールロストを繰り返せば、カウンターを防ぐのは難しい。

失点のシーンなどその最たる例だろう。本来守備的なパートを持つべきケディラが無謀な突破を試み、例によってあっさりと倒れボールを奪われる。クロースは全力で戻って来ず、右サイドキミッヒの頭は攻撃で頭が一杯なのか画面にも映っていない。最後相手のシュートを防ごうと戻って来たのは、トップ下のエジルである。完全にオーガニゼーションが崩壊していたシーンであり、これは私の目を疑った。

今日は守備への切り替えも非常に悪く、ボールを奪われれば中盤はもぬけの殻でバイタルエリアのスペース使われて何度もピンチを招いた。メキシコの攻撃の精度とアイデアのレベルがもう一つ高ければ、もっと点は入ってもおかしくは無かった。

攻撃は起点となるクロースが徹底的にマークされ、リズムを作る事が出来なかった。但し、これはドイツを抑えるための定石であり、想定内だった筈だ。問題は攻撃が右サイドに偏った事だ。これは、左SBのヘクターがインフルエンザにかかり欠場した事が響いた。

代わりに起用されたプラッテンハルトは全く攻撃に参加させて貰えず、フリーでもパスを回して貰えない。ヘクターなら欠場しても問題ないと思った人は多かった筈だ。ヘクター自身は確かにワールドクラスのスターではないが、左サイドの組み立て、コンビプレーに関与する事ができる。チームの戦術上極めて重要なパーツである事が明らかになった。

また、私を含めた多くのファンは2列目の左にロイスのスタメンを期待したが、この日レーヴが起用したのはドラクスラーだった。そして、このドラクスラーの起用は昨日の時点でレーヴは既に予告していた。事前にスタメンの名を明かすのは戦術家、戦略家でもあるレーヴにしては極めて珍しい。

これは恐らく、これまでの代表チームでの貢献度を考慮したものであり、ロイスの復帰でスタメン落ちが囁かれるドラクスラーに対する信頼の証のメッセージだと推察する。仮にそうならそれはそれで構わないし、そういう判断基準があっても良い。選手がフェアだと感じる選手起用をしてこそ、モチベーションを保つ事が出来る。

しかし、ロイスをベンチに座らせておくのは余りにも惜しい。結局今日は途中から出場してドイツの攻撃を活性化させた。次戦はスタメンだろうが、「もっと早く出せよ」と思ったのは、私だけではない筈だ。詰まるところ、レーヴも少々メキシコを甘く見ていたのではないか。ドイツはコンフェデ杯でメキシコに4-1で勝利している。しかもBチームでだ。

因みに、ドイツがW杯の初戦で敗れるのは1982年大会以来である。それ以降は私が知る限り全て初戦に勝利して来た。苦戦をするのは常に2戦目のイメージがある。次戦の相手はスウェーデンだが、予選でイタリア、オランダを蹴落としており、生易しい相手ではない。今日のような試合をしていれば、もう次で間違いなくジ・エンドだ。優勝どころか、グループリーグ敗退の危機に立たされた。

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