ミュンヘン空港、保安検査のミスにより大混乱に陥る

先週の土曜日のミュンヘン空港は大混乱に見舞われた。私はたまたまその前日にミュンヘン空港を利用して日本へ帰国していたので、その写真をネットで見たらギョッとしてしまった。私自身も乗り継ぎの国内線でちょうど台風で欠便も相次ぎ、やれやれとの思いで何とか目的地に着く事ができたのだが、もしもこの日に飛行機をブッキングしていれば確実に日本へ帰る事は無理だっただろう。

原因は一人の女性が空港の保安検査を潜り抜けて、そのまま行方知れずになってしまったからだ。この結果ミュンヘン空港のターミナル2は緊急事態により4時間に渡り閉鎖された。よりによってこの日は丁度バイエルン州が夏休みに入った日で、大勢の家族連れがミュンヘン空港からバカンスに飛び立つ予定だった。

しかし、このトラブルにより取り残された大量の旅行客が空港内に缶詰め状態となった。結局、330もの便がキャンセルされ、述べ30000人以上の利用者が被害を被り、損害も数百万ユーロに上る。この日からのバカンスを楽しみにしていた人々には本当にお気の毒だと言うほかない。

この保安検査を潜りぬけた女性客であるが、決して何かを企んでいた訳ではない。まず化粧品を手荷物として持ち込もうとしたところ、その中に液体が含まれており保安検査場で引っかかった。そして彼女は一旦引き返し、それを預け荷物に入れた後、今度は手ぶらで再び保安検査場に戻って来た。

ここで普通もう一度検査されなければならないのだが、この女性は検問を素通りした訳である。この時点で検査官は誰も気づかず、のちにこの女性客の身元が判明したものの、彼女は既に飛行機に乗っていた。

そして、何故この女性がいとも簡単に検問を素通り出来たかといえば、担当の検査官が同僚同士で会話をしており、それに気を取られてるうちに女性は通り過ぎたとの事だ。このような有り得ないミスが一年で最も空港利用者が多い日に起こるとは殆ど信じがたい。