ドイツの冬にドライバーが把握しておくべき法律

先週からヨーロッパに到来している寒波は引き続き勢力を保っており、バイエルン地方は今週も寒い日が続いている。特に道路の凍結状況は一層危険なものになっており、特にドライバーにとっては気の抜けない状況である。

幸いな事に私はドイツで事故を起こしたことはないが、冬場の道で滑ってコントロールを失った経験はあるのでよく気をつけなければならない。寒い中積もった雪が車などによって平らになると非常に滑りやすいし、更にそれが一旦部分的にとけて再び凍ると更に滑りやすくなり非常に危険になる。今回は自分の忘備録も兼ねて、冬に気をつけておくべき車関連の法律を挙げておくとする。

先ず、これは当たり前だと思われるが、雪道や凍結路、ぬかるんだ道を走る場合、それに対応したタイヤを装着する義務がある。このタイヤは具体的にはタイヤに”M+S”のマークが付いていればOKである。これにはいわゆる冬タイヤと通年タイヤがあり、冬タイヤには”M+S”に加えて雪結晶のマークが付いている。通年タイヤにすれば文字通り冬も夏も走れるからタイヤ交換をする手間が省けるが、一般的に安全性の面からあまり推奨されていないので、私も冬タイヤを装着している。

冬タイヤを装着する期間については特に法律で指定されていないが、一般的に10月中からイースター祭の祝日(今年は4月の中頃)までを推奨されており、これはそれぞれのドイツ語の頭文字をとって”von O bis O”(10月=Oktober, イースター=Ostern)のルールとして一般化されている。

タイヤの交換は車販売、修理店或いはタイヤ販売店に頼めばもちろんやってくれるが、当然有料である。また、大抵平日にアポイントを取らなければならないので、出来る人は自分で済ませてしまった方が手っ取り早い。習った事がなくともネットで調べればやり方はすぐに見つかる。他の交通の妨げにならない平らな場所で行えば問題ない。

タイヤの溝は最低でも1,6mmと定められており、それ以下なら法律違反となる。但し1,6mmは既にかなり磨耗した状態なので、その前の段階で新しいタイヤに買い換える事が推奨されている。このタイヤの交換時期の目安には1ユーロ玉を使うのが一般的になっている。つまり、1ユーロ玉をタイヤの溝に差し込んで、幅3mmの金色の縁が完全に隠れればまだOK。さもなくば買い換え時期という事であり、私もこれに従っている。

もう一つ盲点になりやすい法律として挙げておきたいのが、車の屋根の上に雪が積もっているパターンだ。これは罰金25ユーロである。他にも走行中に車のガラスが凍っており、視界が狭まっているのも10ユーロ、これを早く溶かすため発進前のアイドリングも10ユーロ、ナンバーが雪で見えなくなっているのも5ユーロの罰金である。

つまり、車を発進させる前に完全に雪と窓の氷を取り去らなければならない。私のように車を常時外に停めている人間にとっては非常に難儀であるが、これらも把握しておくべき法律だろう。