ボルシアMGに惨敗し、早くも進退問題が浮上しているニコ・コバチ

火曜日のチャンピオンズリーグ、アヤックス相手にまさかの低調な内容で引き分け、危機が囁かれつつあるFCバイエルンであるが、昨日のブンデスリーガ試合でボルシアMGに惨敗を喫し、これで危機は決定的なものとなった。0-3と言うスコアもさる事ながら、その内容はハイライトで見る限りでも目を疑うような酷さ、情けなさだったと言える。

先ずはこの日先発したズューレが危険なハーフスペースであっさりミドルシュートを許し先制される。2点目はチアゴが自陣ゴール近くの有り得ないトラップミスからボールを奪われ決められた。そして3点目は開いた口が塞がらないお粗末なものだった。

まずは自陣ペナルティエリアでフワリと上がった何でもない浮き球をゴレツカがヘディングを空振りし、相手選手にボールが渡る。更にシュートを防ぐべき位置にいたフンメルスは驚いたのか全く相手が見えておらず完全にズレた方向へ動き出し、どフリーでシュートを許した。因みに、フンメルスはボールが来る直前まで腰に手を当てて傍観しており、やる気がないと思われても仕方ないだろう。

攻撃でもバイエルンは全くと言って良いほどチャンスを生み出す事が出来なかった模様で、そのパフォーマンスは各メディアで強烈に叩かれている。ローター・マテウスに至っては”Das war Arbeitsverweigerung von hinten bis vorne”=「あれは後ろから前まで職務放棄」と例によっての手厳しいコメントを残した。

結果を見ても、これでFCバイエルンは先のチャンピオンズリーグの試合を含めると4試合連続して勝ち星がなくブンデスリーガで6位に甘んじている。近年でこれ以上に悪い成績は8年前のファン・ハール政権時にまで遡る。この時は何と同時期で12位まで低迷しており、結局半年後にファン・ハールを解任する事態になった。

そして、現在の監督であるニコ・コバチも就任から僅か3ヶ月でその進退問題メディアで囁かれる状況にまでなっている。これは会長のウリ・へーネス、社長のルンメニゲの両者が試合後ノーコメントを貫いた事によるものだろう。

普通、どんなに結果がでなくてもボスは公には自分の部下の肩を持つのが組織の常識だ。それがノーコメントに終わった事で要らぬ憶測が出る事態になっている。しかしそれでも、国内では圧倒的なスターを揃えるFCバイエルンがブンデスリーガで「職務放棄」と酷評されて0-3で敗れるのは、就任間もないとは言え監督の責任が問われるのもやむを得ない。

まあ現状直ぐにコバチを解任する事はないだろうが、仮に今後来期のチャンピオンズリーグの出場権が危ういような状況になれば、バイエルンだけに監督交代という荒療治もあり得るだろう。そして肝心の選手たちであるが、来週はネーションズリーグの代表戦があるためにチームを一旦離れる事になる。これが吉と出るか凶と出るか不明だが、選手たちにとっても極めて不快ムードでの代表戦への突入になる事は間違いない。