Direktbank(ネット銀行)を利用している感想

前回、Sparkasseが値上げしたから、家庭用の振替口座をDirektbank(ネット銀行)に乗り換える旨を記した。ネット銀行は私は個人用のGirokonto(振替口座)で既に数年来利用しており、今のところ非常に満足しているのでそれについて記しておきたい。ドイツにおけるネット銀行とは、インターネットや電話回線を利用したサービスに特化した銀行であり、基本的に店舗を持っていない。調べた限り既にドイツには30社くらいはある。

この中で最も有名なのが、オランダINGグループの子会社であるING-DiBaだ。顧客数で圧倒的なシェアを誇っており、こちらに住んでいる方々にとってはテレビのCMでもお馴染みだろう。次いでDKB (Deutsche Kreditbank)、Comdirect Bank と続く。

私が現在利用しているのはComdirect Bankである。このネット銀行には4、5年ほど前くらいだと思うが、新規契約の時に確か70ユーロのボーナスが付いて来るというキャンペーンに乗せられる形で私は振替口座を作った。勿論それだけではなく、サービス内容も吟味した上ではある。

誰がどう見ても明らかなメリットは、振替口座の維持手数料が無料であること、年会費無料のクレジットカードが作れる事だ。貯金用口座の利子も普通の銀行に比べれば高い。ネットや電話でのサービスに特化しているから、当然人件費などの諸費用が大幅に通常の銀行より少なく済むのでこのようなサービスが可能になる。またComdirectは大手銀行Commerzbankの子会社であり、多くのATMで手数料なしで現金が引き出せる。

しかし、私がこのComdirectで最大のメリットだと感じているのは、iOSに対応した無料のバンキングアプリである。このアプリには指紋認証で簡単に入り、そこでいつでも自分の口座のお金を動かし、またその残高や動きを把握し、その内容を分析することまで出来る。

またComdirectの口座を持ってさえいれば、別の銀行のあらゆる種類の口座とも連携する事が可能だ。私は特にFoto-Überweisungと呼ばれるスマホの写真機能を使った振込方法や、事前に条件を設定してやる事により支出を自動的に項目別に仕分けしてくれる家計簿のような機能は重宝している。

つまり、このアプリ一つであらゆる口座の管理を楽々と済ませることができる。これが私にとって最大の発見だったと言って良いし、インターネットでのサービスに特化した銀行だからこそ出来る質の高いサービスだろう。オンラインバンキング自体のサービスは普通の銀行でも既にあるが、ここ迄の快適さを提供してくれるものでは無かった。

ただ一つ、私が個人的にデメリットだと感じているのは株の取引に関してアドバイスを得る事ができない事である。これに関しては私は素人なので、ネット銀行でするには至らない。高い専門性を持った人間の話はいつの時代も重宝する。とは言え、振替口座や簡単な貯金用の口座の管理はもうコンピューターに任せた方が安いし楽だ。伝統的な銀行がこれからも人々に必要とされるのは間違いないと思うが、銀行の人材も相当に優秀である事が求められるだろう。