オランダと引き分け、EURO2020予選ポット1から漏れたドイツ(NLオランダ戦)

後半ドイツは若干ペースを落としてオランダが攻める時間帯が増えたものの、基本的な構図は変わらない。高度に組織化されたドイツに対し、オランダは個人プレーの集合体だ。ドイツは引き続きボールを奪ってからの素早い縦への攻めで3点目を決めるチャンスを得る。前線にロイス、ミュラーが交代で入るとややカウンターからポゼッション志向に切り替わったが、今度はコンビネーションからオランダのゴールを脅かした。

ドイツの選手には明らか余裕の色がみえ、試合展開から言ってもこの勝負はもはや決まったかに思われた。しかし、ドイツは最終的にこの3点目を取れなかった事が仇となる。

80分を過ぎると一矢を報いたいオランダが一か八かのプレスを高い位置でかけ始め、ドイツはズルズルと守備ラインが後退する。そして85分自陣深くでゴレツカがボールを奪われると、狭いエリアで足元パスを回され、ペナルティアークの辺りからプロメスに鮮やかなゴールを決められ1点を返される。

更にオランダは残り時間でなり振り構わない放り込み戦術を敢行し、ドイツの守備は突如自陣ゴール前付近でドタバタし始めた。そして後半ロスタイム、右サイドからのクロスをファン・ダイクに決められ同点に追いつかれ、そのまま試合は終了した。

今年最後の代表戦、ドイツは80分間は試合内容、経過から言っても今年一番と言っても良い出来だったが、最後の10分間で冷静さを失った。今年を象徴するかのようなツキのなさ、詰めの甘さがでた試合でもある。

試合後この日解説をしていたトーマス・ヒッツルスペルガーが言うには、ドイツの選手たちはまだ新たな戦術、システムで勝利できるという確固とした自信を得ていない。まあ、そういう事だろう。私的にはこの試合はW杯のベスト16で2点をリードしながら、ベルギーの力攻めに屈した日本と重なる部分もあった。

或いは、ドイツは結果を出すために90分間通して試合をマネジメントする段階まで到達していないと言う事だろう。直近の3試合はいずれも前半が非常に良い出来だった一方で、後半はやや尻すぼみの印象がある。

とにかく最初から飛ばして行けるとこまで行くが、試合終盤の最も難しい時間帯をどう切り抜けるかという意思統一がまだ出来ていない。これは戦術、メンバーを一新して間もないので、さすがに止むを得ないし、私個人としても現段階でそこまで期待はしていない。内容的にはポジティブな面が明らかに多かったので、先に繋がる試合ではあった。

しかし、来年始まるEURO2020予選に関してはドイツにとってはやや厄介な事態になった。この試合の後行われたポルトガル対ポーランドが引き分けに終わった為に、ドイツの抽選におけるポット1からの脱落が決定したからだ。ポット1はスイス、ポルトガル、オランダ、イングランド、ベルギー、フランス、スペイン、イタリア、クロアチア、ポーランドとなり、ポット2に入ったドイツはこのいずれかの強豪国と既に予選段階で戦う事になる。

10組に分けられたグループのそれぞれ上位2チームが本線に参加出来るため、ドイツがここで脱落する可能性は低いとはいえ、来年も気の抜けない1年になる。まあ、予選の段階で強豪国と手に汗握る試合を観戦できる事は、ファンとしてもポジティブに受けとめておきたい。