先週車で出張の為スイスのバーゼル方面に行ってきたのだが、うっかりオーストリアの高速道路の通行許可シール(Vignette=ヴィネッテ)を買い忘れてしまった。ドイツのアウトバーンは無料なので忘れがちだが、隣国は有料である。
検査は無かったので、もしかしたら運良く罰金なしかもしれないが、検査のためにランダムに高解像度のカメラが設置されているらしいので、そっちで引っかかっている可能性は十分にある。罰金は少なくとも120ユーロは覚悟しなければならない。
私はリンダウを経由してボーデン湖沿い東を回り、直ぐにスイスに入ったつもりだった。しかし、このルートを利用したのは今回が初めてであり、わずかな距離ながらオーストリアの高速道路を通過することを見落としていた。シールはたかが8,5ユーロであるのだが、これで摘発されて自腹で罰金を払うとなると全く何のための出張なんだか、本当に悔しくて腹が立つ。
もちろんこれは自分のミスなので腹を立てても仕方がないが、このオーストリアの課金システムも非常に小ズルいシステムであると言っておこう。だいたい、決められた高速料金を皆から公平に徴収したいのなら、日本のように全ての出口あるいは入口に料金所を作りそこで強制的に払わせる方法が最もフェアであろう。
しかし、そうせずにドライバー自身でシールを国境沿いのガソリンスタンドで買わせ、貼らせるとなると、私のようにうっかり忘れたり、期限切れのシールをそのままにしておく、あるいは確信犯的な違反者が一定の確率で出て来る。
すなわち、皆から公平に正規の料金を徴収するよりも、この一定確率で発生する違反者から高い罰金を取ったほうが儲かるからであろうと推察される。
特に私が走行した区間は非常に短い距離なので、多くの違反者がでるらしく格好の罰金徴収区間となっているらしい。こんなたかだか10kmの距離で皆と同じ金額の通行証を払うのが馬鹿馬鹿しいと思うドライバーがいて当然だろう。
この課金システムはドイツ側から相当苦情が出ているようだが、一応国境ちかくはデカデカとシールを買えという看板が出ているので、うっかり違反し、摘発されてしまえば後はどんな抗弁も無駄だ。
しかし、仮にドイツ人が高速道路でお金を徴収するとなっても、結局似たような小ズルいシステムを作るに違いない。決して騙している訳ではないが、利用者の盲点を突いたルールで金を巻き上げられないよう、十分注意する必要がある。