ドイツのサービスが悪いというイメージは私の中では徐々に払拭されつつある

キャッシュカードが機械に入れても読み込めなくなったので、新しいカードを送ってくれるようメールでお願いした。こういう時は面倒なので1行の短いメールで済まし、まるで返事など期待しない。勝手にカードを送って手数料も引き落として貰って結構だった。しかし、土曜日の夕方に書いたそのメールには2時間後に返事が来た。土曜日に返事が来たことにも驚いたが、その返事の丁寧さに更に驚いた。その返事の内容は是非ここでそのまま紹介したいが、長くなるのでとりあえず日本語にして以下のような事が書いてあった。

  • 私のカードは磁気テープかチップが故障しており、無料で新しいカードを送付する事
  • 新しいカードは4営業日以内に私の下に届く事
  • 暗証番号は別の郵便で送り、変更したければコメルツ銀行のATMで変更できる事
  • カードが来る前に現金が必要な場合、支店窓口で口座番号と身分証明書を出せばOKである事
  • その最寄りの支店の住所及び、その他の支店を検索できるページのリンク
  • カードが故障しない為に保管時に注意すべき事
  • 私がサービスに満足している事を望んでいる旨と、質問があればいつでも承る事

非常に親切かつ丁寧に書いたメールで非常に好感が持てた。更に上記の情報は少なくとも知っていて損はない情報であり、無駄なおべんちゃらをダラダラ書いている訳ではない。例えば、支店が何処にあるかなんて知ってて当たり前と思われるかもしれないが、私が利用しているのはComdirect(コムディレクト)銀行と呼ばれる店舗のないネットバンクであり、グループ会社のコメルツ銀行の支店に行く事など先ずないので、こう言う情報は役に立つ。無料でカードを送ってくれるのも有難い。

因みに私がコムディレクトで持っている口座はGirokontoと呼ばれる振替口座と、それにセットで付いて来るTagesgeldkontoと呼ばれるいつでも引き出し可能な貯金口座のみであり、この2つの口座で日本でいう普通預金に当たる筈だ。

しかし、数年来続く低金利の影響でこの口座のみでは銀行にとってまるで儲けにならないことは既に有名になっており、その為に多くの銀行が去年から今年にかけて手数料を上げた。コムディレクトの場合はネット銀行だからまだ無料で済んでいるが、いずれにしても私の場合そこに大した金が入っている訳でもなく、要するに私は銀行側にしてみれば重要な顧客でも何でもない。

そんな客にこんな懇切丁寧な返事を土曜日の夕方、2時間後にして来るのは私の中ではドイツらしくない。しかしおそらくコムディレクトの場合は、私のようなゴミみたいな客でも口コミによる効果を期待しての事だろう。銀行のサービス自体がネットに依ることもあるが、ネットが発達した現在の世の中では無能な営業に金をかけるよりも、多分口コミによる宣伝の方が効果がある。客の意見ほど説得力のあるものはないからだ。そして私はこのコムディレクトのサービスには非常に満足しているし、掛け値なしで別の誰かに紹介しても全く抵抗はない。

このコムディレクトの例に漏れず、私の印象ではドイツの企業も親切で丁寧なサービスやコミュニケーションを重視しつつあるし、実際にサービスは全体的にも良くなっていると思う。但し、これらのサービスはあくまでビジネス的な考えに基づいたものであり、何でもへり下って無条件に客の言うことを受け入れる事を意味していないので注意が必要である。理不尽な要求や相手がビジネス上意味がないと思ったら全く相手にされないのがオチなので、モラルや礼儀に基づいた日本的なサービスとはまた違うと思った方が良いだろう。