久しぶりにICEに乗り、若干ドイツ鉄道への評価を改めた

この間久しぶりにICEに乗った。ICEとはIntercity Expressの略で日本でいう新幹線である。私はもうかれこれ5年以上はICEを利用していなかった。率直に言って殆どICEを利用するメリットを感じなかったからだ。これまでなら少々遠くても車でアウトバーンを使った方が早く目的地に着くし費用もかからなかった。その上、ICEはその乗り物自体は全く問題ないとは言え、それを運用するドイツ鉄道のサービスが最悪な上に、遅延や欠便などは日常茶飯事のイメージがあり、長らく利用する事がなかった。

しかし、最近は車でアウトバーンを走れば何処へ行っても必ずと行っても良いほど渋滞に巻きこまれ、さらに都市部では駐車場を探すのに一苦労の上に、あの厄介なオービスにも神経を使わねばならず、車の長距離運転のストレスはここ数年で明らかに増大した。今回は騙されたと思って久しぶりにICEを利用してフランクフルトに行ってきた。

そしてその結果から言えば、すこぶる良かったと言って良いだろう。まずチケットはオンラインで買うことが出来るし席も予約できる。事前に会員登録などは特に必要ない。このチケットのオンライン購入に関して言えば、至ってシステムはシンプルである。早めに予約をすれば格安でチケットを手に入れることも可能だ。これは運にもよるがかなり安い時もある。私はラッキーにも約往復100ユーロでフランクフルトまでチケットを取れた。普通のチケットを買えば倍以上はかかる。まあこれらは前から知ってたことなので、別段強調する程のことでもないかもしれない。

私が最も懸念していたのは、例によっての遅延や欠便であったが、これもなかった。これも本来当たり前なのだが、それだけ私の中にはドイツ鉄道=定刻には来ないというイメージが定着しており、更に過去たびたび聞いていたニュースでの醜聞もあったので私のドイツ鉄道に対する信用は地に落ちていた。ただ今回ほぼ定刻通りに来たことで、その信頼はひとまず若干回復した。

そして今回の大幅なプラスポイントとして挙げてよいと思うのが、列車内で無線LANが利用できるようになったことだ。これは私は知らなかったが、帰りに乗り合わせていた家族連れが皆で動画を見ているのをみて気が付いた。利用は全席無料で、複雑な制約など一切ない。実に簡単に皆がこのサービスを利用できる。スピードはお世辞にも速いとは言えないが、無料であることを考えれば十分だ。

私はその家族連れが楽しそうにしているのを見て、ICEに乗って家族旅行をするのは案外楽しいかもと少し思った。このように思ったのは私は初めてだ。早めにグループで座れる個室を安い価格で予約して、友人同士で旅行するのも楽しいと思う。車内ではビールなども飲めるし、外の景色を楽しみながらリラックスした旅が送れるだろう。

因みに私の記憶が正しければ、27歳まではバーンカード(Bahn Card)をかなり安く購入できたはずなので、該当する方は調べてみたら良いかと思う。バーンカードを持っていれば、そのグレードに応じてチケットを半額あるいは25%引きなどで購入できるので、頻繁にICEなどの長距離列車を利用する方は購入を検討したらよいかと思う。

総じていえば、車での移動のストレスが増大し、また飛行機もルフトハンザのストライキが依然として懸念される中、鉄道での移動の必要性は必然的に高まりつつある。これまで幾つもの醜聞で物議を醸したドイツ鉄道であるが、ひとまず今後に期待が持てる経験だったといっておこう。確か来年からだったか、新型のICEがミュンヘンーハンブルク間を運航する予定になっていたはずなので、そちらも期待したいと思う。