データ解析会社Statistaが世界52カ国43000人に行ったアンケートによると、”made in Germany”、つまりドイツで製造された製品は世界で一番人気があると言う結果が出た。2位はスイス、3位はEU、日本は8位である。最下位は中国であった。
評価の基準は「品質」、「安全性」、「コスパ」、「独創性」、「デザイン」、「最新技術」、「信憑性」、「環境配慮」、「労働環境」、「ステータス」があり、データの解析にあたっては輸入量の多い国の回答がより重きを置かれた。詳しい結果はお金を払わないと見れないが、一部メディアで公表されている。
日本人の私としては日本が8位と言うのは納得しかねるが、私がそのように思うのは一般的にどこの国の消費者も自国製品を程度の差はあれ好むからだろう。例えばカナダ、アメリカ、中国、フランスやドイツの消費者がこれに当てはまる。一方で隣国の製品は厳しい評価が下される結果となった。例えば、フランス製品はオランダやドイツでは評価が低く、中国製品は香港では最悪の評価だった。これも日本で韓国製品や中国製品の評価が低い事を考えればすぐに納得がいく。
ドイツ製品はその中でも世界13カ国から1位を獲得し、項目では特に「品質」と「安全性」でポイントが高かった。確かに私にとってもドイツ製品は特に安全だと言うイメージが強い。変な有害、危険物質が利用されていないという点で私もドイツ製品を信頼している。
また、これは私が見る限り、ドイツが総合1位になったのは地理的にも項目的にも満遍なくポイントを稼いだからだ。ドイツ製品が最も悪い評価を得た国はブラジルで、それでも52か国9位だった。
トップだった13か国も自国ドイツのほか、スペイン、ベルギー、ギリシャ、ペルー、カザフスタン、南アフリカ、韓国、トルコ、カタール、UAE、サウジ、ケニア、と散らばっており、地理的な偏りがない。一部の地域、民族、文化の嗜好に偏った製品でなく、万人に共通した価値のある製品を輸出しているのだろう。因みに、日本はアジアでは圧倒的な人気があり、「最新技術」の項目でトップだった。
更にドイツ製品のイメージはここ最近の12か月でもイメージが良くなっている。一方で、ロシア、アメリカ、トルコ製品のイメージは大幅に悪化した。これらの国に共通して言えることは、政治的に極めて評判が悪いということである。
例えば、アメリカ製品は世界10か国において1位を獲得したが、総合では10位だった。これはアメリカ製品が一部の国で相当嫌われていることを示唆している。アメリカの大統領は他国の貿易黒字に難癖つけているが、そもそも自らの発言が自国製品のイメージ悪化に寄与していることを自覚した方がよいだろう。
ドイツ製品に話を戻せば、元々”Made in Germany”というラベルは130年前にイギリスが粗悪な輸入製品の代名詞として導入した。しかし、19世紀にドイツの製造業は急速に発展しこのラベルの悪いイメージは消え去るどころか、逆に品質の良さを表すブランドになったとのことだ。
現在ではドイツは既に世界的に知られた輸出大国であり、更にここ数年は景気が良く3年連続で輸出額は過去最高を更新し、貿易黒字も増える一方である。これには世界的な”Made in Germany”のイメージの良さが寄与しているのは間違いない。自由貿易協定が締結され、経済がグローバル化すればる程ドイツは儲かるのだろう。ただドイツの莫大な貿易黒字は一方で国内外から避難を浴びており、それはそれで問題があるとされている。