絶好調FCバイエルンの恐るべき底力としたたかさ

四月のドイツサッカーは注目の試合が目白押しだ。私の注目は当然FCバイエルンである。そのバイエルンはまず今日ブンデスリーガで国内最大のライバルであるドルトムント戦を行い、CLでは準々決勝のレアル・マドリー戦を控え、月末にはDFBカップで再びドルトムントと対戦する。

FCバイエルンは前節ホッフェンハイム戦でメンバーを落として臨んだところ足元をすくわれたが、数字上の優位は揺るがずブンデスリーガの優勝はほぼ決まりだ。ここ最近の試合の報道を聞くに随分と調子も上がって来たと思われ、私も現状のバイエルンの強さを見るべく久しぶりにドルトムント戦の一部始終を観戦した。

そして蓋を開ければ、この試合バイエルンはドルトムントを圧倒し4-1の勝利を収めた。スコアだけでなく、内容も完全に圧倒した。私が観戦を始めた時点では既に2-1でリードした状態だったが、そこから試合終了までほぼ全くと言って良いほど付け入る隙を与えず、まさに強者のサッカーでドルトムントを完全に力でねじ伏せた。素早いパス回しに豊富な運動量、華麗なテクニック、寄せの速さ、激しくかつフェアなタックル、冷徹な決定力、全ての面でシーズン前半とは雲泥の差である。

その絶好調バイエルンのピッチ上の新しいボスがスペイン人MFチアゴ・アルカンタラだ。この選手、前監督のグァルディオラがどうしても連れて来たいと言ってFCバルセロナから獲得した選手だったが、昨年までは怪我などもあり完全なレギュラーの定着には至らなかった。しかし、現在のバイエルンは彼無しには考えられない程と言われるほど各メディアから絶賛の嵐が吹いている。トップ下の位置から華麗なテクニックを駆使し天才的なパスを繰り出すだけでなく、屈強な身体で守備も強い。

更に今日は怪我の為試合に出なかったが、ここに来て今シーズン絶不調だったトーマス・ミュラーが復調して来た模様だ。それに伴ってか、ここ最近の試合のハイライトをみるとバイエルンは中央からのパスワークで相手守備陣を完全に崩して得点するシーンが増えた。更にエースのレヴァンドフスキはどう見てもキレキレで得点を量産し、守備陣も最近10試合で失点はたったの4と強固で、怪我で戦列を離れていたボアテングも帰って来た。これで鉄壁の守備を誇るノイアーが復帰すれば完全に陣容が整う。

振り返れば昨年序盤はCLでアトレティコ・マドリーに完敗し、無名のFCロストフに足元をすくわれ、ブンデスリーガでは長い間RBライプツィヒに首位を明け渡していた。後半戦が始まっても今ひとつ調子に乗り切れず、私も今年のバイエルンは例年より力が落ちると見ていたし、新監督アンチェロッティの手腕にもやや疑問符がつき始めたのも事実だ。

しかし、CL準々決勝の第1戦でアーセナルに5-1で勝利したあたりから風向きが変わった。国内リーグの優勝をほぼ確実にし、国内カップ戦、CLとも勝ち残り、最大の山場である4月に遂に調子をピークに持って来たFCバイエルンの底力としたたかさ、そしておそらくこれを見越してチームをマネジメントとしたアンチェロッティの手腕には脱帽する以外ない。もしも、CL準々決勝でレアルを破り、その後も勝ち進み優勝するようなことになれば、参りましたとひれ伏すしかないだろう。そして、今日の試合を見る限りその可能性は十分にあるのではないか。