今日はCL準々決勝の1stレグFCバイエルン対レアル・マドリー戦だった。FCバイエルンにとっては今シーズン最大のビッグマッチだ。とはいえ、勝負は知っての通り2試合の合計スコアで決まり、同点の場合はアウエーでのゴールの多い方が勝ち抜ける。つまりホームで行われる1stレグの最大のミッションは何より失点をしない事だ。
敢えてエースのレバンドフスキを大事をとっては休ませたのは、2戦目が勝負である事を見越してのことだろう。そう言う訳でバイエルンを応援する私としては、まず今日は守備を重視した手堅い試合運びを期待した。
そして、結果から言えば、バイエルンはこの試合1-2で敗れてしまい。勝負のかかるアウエーの第2戦に向けて極めて厳しい状況になってしまった。試合の詳細は至る所で紹介されているだろうから省くが、大まかに言うと、バイエルンは前半はビッグチャンスこそ少なかったものの、1点を先制し試合の主導権を握り、レアルの攻撃を単発に押さえ込む事に成功した。
しかし、後半開始直後に同点に追いつかれ、更にCBのマルティネスがイエローカード2枚で退場になるとバイエルンの守備は崩壊し一方的にレアルの猛攻を受けて逆転された。GKがノイアーでなければもっと点差がついていたのは間違いない。終わってみれば2失点で良かったと思える内容だった。
この前半試合を優勢に進めていたバイエルンが後半に逆転されてしまう直接的な原因は3つあるだろう。まず前半終了間際に獲得したPKを外し、レアルを突き放すチャンスを潰してしまった事。それまでほぼ完璧に集中していた守備がエアポケットに入り後半開始直後に一瞬の隙を突かれ同点に追いつかれてしまった事。そして、既にあげたようにマルティネスが退場し、後半の残り30分位を10人で戦う羽目になった事だろう。
何れもバイエルンの致命的なミスであるが、PKは私の目から見れば完全にラッキーな判定であり、そもそも無かったものとして考えられる。後半開始直後の失点も一瞬の隙を突いたレアルも褒めるべきだろう。やはり個々の能力が高いから、攻撃が単発でもしっかりとフィニッシュまで持って来るのだ。しかし、このマルティネスの退場はもはや救いようのない大失策だったと言って良い。
もっと言えば、バイエルンは同点に追いつかれてからそれまでのように試合を手堅くコントロールせず、焦りからかバランスを崩して攻めて行くようになり、試合を急にオープンにしてしまった。決して攻撃が得意でないマルティネスが無謀な攻め上がりでボールを奪われ、カウンターを防ぐ為に戦術的ファウルに追い込まれたシーンなどはそれを象徴している。
マルティネスはその僅か3分後に再びレアルのカウンターをファウルで止めざるを得ず2枚目のイエローで退場になってしまった訳だが、この1-1となってから我慢できず無謀な攻めで試合のコントロールを失ったことはチームとしてのミスだろう。仮にそのまま引き分けてもレバンドフスキが万全の状態で復帰すれば、アウエーと言えども2ndレグでレアルに勝利できる可能性はあったからだ。
更にバイエルンにとって痛いのが、マルティネスはこのイエロー2枚により第2戦も出場できなくなってしまった。フンメルスも負傷から復帰できない公算が強く、2ndレグは急造の最終ラインで臨まなければならない。これはレアル相手に余りにも痛すぎる。残念だが現実的にはバイエルンの勝ち抜けは絶望的になった。
今日に関してはレアルも確かに強かったが、バイエルンが自滅した感の否めない後味の悪い試合だったと言える。唯一のポジティブな点は、優秀なGKのお陰で大量失点を免れて数字上2ndレグに望みを繋いだ点であろう。