FCバイエルン、カルロ・アンチェロッティの1年目は失敗と言って良いだろう

今日はDFBカップの準決勝、FCバイエルン対ボルシア・ドルトムントを休暇先の南チロルで観戦した。今月初めの前回の対戦ではバイエルンがドルトムントを圧倒し4-1で勝利したが、その時とは状況が異なる。

バイエルンはCLでレアル・マドリーに敗れたショックを払拭しきれず、前節のブンデスリーガで降格争いを演じるマインツと引き分けた。選手のコメントを読む限り内容も最悪だったらしく、更にリベリーとアンチェロッティの間での摩擦が報じられるなど、メディアの情報を読む限り雰囲気は良くない。

ドルトムントもチームが爆破テロの標的になり極めて厳しい精神状態に追い込まれたが、先週犯人が捕まった事はこの事件を払拭する若干の手助けになった筈だ。前節のボルシアMG戦も逆転勝利で飾り、チームはどん底を抜け出し登り調子である事を窺わせる。更に再びの怪我から復帰したマルコ・ロイスの存在はバイエルンにとっても脅威になるであろう。

試合は前半ドルトムントがバイエルンDFマルティネスがGKへのバックパスを奪い、ミスに乗じて先制する。しかし、バイエルンはそのマルティネスがCKから頭で叩き込み同点に追いついた。マルティネスはCLのレアル戦で退場すると言う大失策に続く重要な試合でのミスだったが、それを取り返す精神力には恐れ入る。

その後はバイエルンが完全に試合を掌握した。ドルトムントはオバメヤン、ロイス、デンベレの攻撃陣の破壊力はバイエルンと互角だろう。しかし、どう見ても中盤より後ろの守備力、キープ力、展開力で明らかに劣る。バイエルンは高い位置でボールを奪うと中盤の正確な展開力から両サイドを深くえぐりチャンスを演出する。

しかし、試合を完全に支配しながらチャンスを決めきれないバイエルンを尻目にドルトムントは少ない好機をものにした。クロスを上げると見せかけたピシュチェクはPA右サイドのデンベレに決定的なグラウンダーのパスを通し、そのデンベレのクロスからオバメヤンが頭で決め追いついた。更にその5分後カウンターから冷静に繋いだドルトムントは今度はデンベレが決めて逆転した。前線のクオリティに関してだけ言えば、ドルトムントは脅威のポテンシャルを秘めている。

逆転されたバイエルンはミュラーを投入し攻めに転じるが、強引な力攻めの感は否めない。結局そのまま試合は3-2でドルトムントが勝利した。

バイエルンは総合力でドルトムントを上回りながら、前回のCLレアル戦に続いて稚拙な試合運びで逆転勝利を許してしまった。これ程経験豊富な選手を揃えていながら肝心な試合を勝ち切れなかったことは批判を免れないであろう。これでバイエルンはCLに続き国内カップ戦のタイトルも敗退した。ブンデスリーガは何とか1位で逃げ切れるであろうが、これは当たり前だ。初年ということを差し引いてもCL8強、DFBカップ4強での敗退と言う結果を見れば、カルロ・アンチェロッティの1年目は失敗と言って良いだろう。

私はシーズン前半不甲斐ない戦いながら、この山場である4月に向けて調子を上げてきたバイエルンに一時大きな期待を膨らせたが、終わって見ればやはり今年のバイエルンはシーズンをトータルで見れば劣化したと思わざるを得ない。それ以上に気になるのがアンチェロッティのシステムではミュラーやキミッヒといったドイツを代表する組織プレーヤーが低く評価されている事だ。彼らなしにFCバイエルンの明るい未来は無いと個人的には思っている。