ドイツがユーロビジョンでどん底な結果しか残せない理由は何か

先のユーロビジョン・ソング・コンテストで26カ国中25位というどん底の結果を受け、さまざまなメディアでその理由が考察されている。無理も無い、26カ国参加の歌合戦で直近3回の結果が最下位、最下位、ブービー賞なのだ。普通狙っても出来ない。私は音楽はど素人だが、その理由を考えてみた。誰を出してもこれだけ結果が悪ければ、歌手個人ではなくマネジメントが悪いと考えるのが普通だろう。

その理由の一つとして、まず優勝したポルトガルのSalvador Sobralの”musik is feeling”というコメントを取り上げたいと思う。その言葉通り、音楽とは理屈では説明できない、心に訴えかけるものだろう。残念ながら今回ドイツはそれを解していなかったと言える。

今回理屈から言えば、ドイツのLevinaがブービー賞になる要素などあり得ない。容姿端麗で英語でいかにも大衆受けしそうなメロディーの曲を歌えば、悪くても失敗する事は無いと誰でも思うだろう。しかし、余りにも平凡すぎてまるで視聴者の心に訴えかけるものは無かった。一方ポルトガルは完全に最近の大衆トレンドとは逆の路線ながら、視聴者を感動させることに成功し優勝した。このような事はそう何度も起こるとは思えないが、ドイツもここから学ぶ所は大いにある。ドイツ人得意の理詰めばかりでは問題は解決できない事を自覚すべきだろう。

もう一つは舞台衣装及びパフォーマンスの地味さ、工夫のなさ、或いはセンスの無さだ。もちろんこれには色々と異論もあると思うが、私の感覚から言えば、今年と言い昨年と言い、ここで失敗していると思わざるを得ない。特に昨年のドイツ代表Jamie-Leeは漫画風のコスプレ衣装で出たが、これは最下位の直接的な要因となっただろう。歌自体はそれ程悪くは無かったと思うので惜しまれると思う。パフォーマンスについては経験の浅い若手の歌手を送り出しているせいもあると思うが、毎度難易度の低くかつ工夫のないもので、まるで印象に残らない。多少歌が駄目でもここで挽回する余地は大いにあると思う。

そして最後に指摘したいのは、やる気のなさだ。それを言ったらお終いなのはわかっているが、それを感じずにはいられない。所詮音楽という趣向に個人差のある分野なんだから、順位なんか時の運だというのもあるだろうし、そもそも順位なんか付けるのが馬鹿馬鹿しいとも言える。そんな不安定なものに多額のお金や労力を投資して1位を取りに行くのは、ビジネス的に考えれば非効率だと考えているだろう。私のドイツ人観から言えば、そう言う考え方こそが如何にもドイツ的だと言える。しかし、3年連続でどん底な結果が出てしまった今、この不名誉な状況から脱却する為にもプロ中のプロを出す必要に迫られている。ヨーロッパの中では最も経済力があるのは間違いないのだから、ケチらずに必要な経費に投資し、真剣に心に響く音楽と洗練されたパフォーマンスを練り上げるべきだろう。

因みに、今回参加したLevinaも悔しさからか涙を流していたが、番組終了後のインタビューでは気丈に笑顔で自虐的なユーモアを交えたコメントをしていたので紹介しておく

Ich bin natürlich total traurig, bedanke mich aber bei Irland. Die haben uns ja drei Punkte gegeben. Außerdem sind wir nicht Letzte geworden, sondern Vorletzte. Wenn es jetzt so weiter geht sind wir in 25 Jahren auf Platz 1″.

私はもちろん悲しいけれど、3ポイントをくれたアイルランドにはお礼を言うわ。それに私たちは最下位ではなくて、最後から2番目よ。もしこのまま行けば、25年後に1位になるわ。

このような絶望的にネガティヴな状況で、正直な気持ちを表現しながらも明るくユーモアを交えたコメントをテレビで出せたのは賞賛に値する。結果が悪いのは全体のマネジメントが悪いからであり、歌手個人の責任ではない。まだ若いので挫けずに頑張って欲しいと思う。