この間、出張でデュッセルドルフと言う街に行ってきた。高いから本当はあまり使いたくないとは言え、地下鉄で移動したら時間がかかりそうだったので飛行機で到着してからタクシーで移動した。
タクシーの運転手はサングラスをかけた風貌で、乗り始めてから暫くはまるで会話もなかったが、途中いきなり「おたく日本人?」と話しかけられたので、そうだと答えたらちょっとした雑談になった。ミュンヘンから仕事で来ている事や、デュッセルドルフには沢山の日本人がいるとかの他愛のない会話をして目的地に到着した。
途中ちょっとした渋滞があり15分位で目的地に到着したが、料金は30ユーロだと言われた。「やけに高いな」と思ったらメーターには22,9ユーロと表示してある。私がこれにクレームをつけた所、仕事で来ているドイツ人はそれくらい余計に払うのが普通だとか訳の解らない事を言い始めた。余りにも馬鹿げた話だったので私がムッとしたところ、22,9ユーロで構わないと言い始めた。結局釣り銭なしの23ユーロ払ってタクシーを降りた。こんな舐めきった話で余計に金を取ろうなど小狡いにも程がある。
しかし、この運転手が私からこのような手口で余計に金を取ろうとしたと言う事は、常識的に考えてこの手口が成功した例があるからだろう。おそらく何も知らない旅行者や日本から出張で来た人などを言い包めていると推察される。
或いは私のようなドイツ滞在歴が長そうな乗客でも仕事で利用する場合、会話が弾んだら少々の金額なら余計に払う可能性が高いと踏んでいると考えられる。何れにせよ争いを好まない日本人の性質を把握したものであろう。因みにチップを与えたいなら金額の10%が常識の範囲内とされる。
まあ私のケースのような割と少額を余計に払うのは取るに足らないと思う人も多いだろう。しかし、実際には旅行者などを相手にとんでもない額を騙し取る悪質なタクシーは存在する。ネットで調べる限り特にベルリンは要注意らしく、数年前にはとある旅行者に10Kmの走行距離に300ユーロを払わせた運転手が存在したそうだ。
私はこう言った詐欺に対して具体的にどのような事をしたら良いのか十分な知識を持ち合わせていないが、取り敢えずいつも極端に変なルートを取られていないか、スマホのグーグルマップを移動中はじっと見ている。或いは最近はこのような詐欺を防ぐためのアプリが存在するらしいので、利用したら良いかもしれない。何れにせよ、多かれ少なかれタクシーに乗るときは怪しい運転手に遭遇する事は想定し、対策は練っておくべきだろう。