ブンデスリーガにシャルケ04というチームがある。日本代表の内田選手が所属しているため日本でもかなり馴染みがあるのではないか。ブンデスリーガではかなりの強豪チームとして認知されており、熱狂的なファンも多い。ホームタウンはゲルゼンキルヒェンという決して大きな街ではないが、クラブの会員数から言えば、シャルケはバイエルンに次ぐドイツ2位である。
同じくルール地方の強豪クラブ、ボルシア・ドルトムントとは犬猿の仲として知られており、この両チームは直線距離にしても僅か25kmしか離れていない。シャルケ対ドルトムントの対戦はドイツで最も盛り上がるダービーと言って良いだろう。
このシャルケについて私がまず第一に挙げる印象は、毎年のように監督がコロコロ変わっているチームであるという事だ。昨日、シャルケは例年のごとく昨シーズンの監督であるヴァインツィールを解任し、新たにテデスコと言う31歳の若手監督を招聘することを決定した。数えたらこれで過去12年間で13人目の監督になる。この監督交代に関しては今回も「やっぱりな」と思った。これが私が今回シャルケについて書こうと思ったきっかけだ。
確かに昨シーズンに関して言えば10位と言う期待外れの結果に終わっているので、シャルケというチームの格から考えれば失敗と言えるだろう。しかし、この継続性の無さに私は良いイメージは持っていない。バイエルン、ドルトムントに次ぐ資金力を持っていると言われており、そこそこのスター選手を擁しながら、優勝に全く縁が無いのはチームにに確固としたスタイルが育たないのも大きいだろう。
因みに新監督のテデスコは監督業界の中では知る人ぞ知る有能な人物らしく、監督養成アカデミーを1.0という最高の成績で修了したらしい。これは昨シーズン、弱小のホッフェンハイムで ブンデスリーガ4位という成績を残しブレイクした29歳の若手監督であるユリアン・ナーゲルスマンを上回る。しかし、私が知る限り有能と言われる監督でもシャルケで長続きした例は殆ど無い。一筋縄ではいかないだろう。
更にシャルケというチームについて認知されている事として、ロシアの巨大企業ガスプロムがメインスポンサーである事だ。そしてガスプロムはロシアの国営企業であり、要するにシャルケは間接的にロシア政府のパートナーのような見方もされる。ロシア政府が出てくると言う事は、シリアやウクライナ問題が出てくる。
シャルケにとってガスプロムは超重要資金源であり、既に2022年までのスポンサー契約が成立している。スポーツとは関係のない話かもしれないが、会社だろうが個人だろうがどんなパートナーと一緒に仕事をしているのかと言うのは世間から見られている。そう言う意味でシャルケの好感度は一般的に高くない。
と、シャルケについてややネガティヴなことを記したが、私がシャルケについて極めてポジティブな印象を持っている事もある。これはドルトムントも同様だが、多くの才能のある若手がシャルケで育っている事だ。マヌエル・ノイアーとメスト・エジルはそれぞれのポジションでは今や世界でベストの評価を得る選手だろう。最近では、パリ・サンジェルマンのドラクスラーやマンチェスター・シティのサネが挙げられる。
そして現在はレオン・ゴレツカという期待の若手がいる。この選手は丁度今日行われたドイツ対サンマリノの試合に出場しており、ポジションや体格、プレースタイルから言ってバラックに近い印象だ。ゴレツカは1週間後に開幕するのコンフェデ杯では注目の選手の一人だと言えるだろう。